ただいま当館では、自然系テーマ展「もみじとカエデ」(2019年3月16日(土曜日)~6月16日(日曜日))を開催しています(詳細:http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/thema/shizen20190316/momijitokaede.html)。このテーマ展の関連行事として、4月21日に学芸員とっておき講座「カエデの花って見たことある?」が行われました。講師は三瓶ゆりか学芸嘱託員(植物担当)が務めました。
「もみじ」と呼ばれる「カエデ」は秋に美しく紅葉する木として有名です。今回、春なのになぜカエデの話題なのだろうか?と不思議に思った方もいるかもしれません。なんと今回の講座では、春ならではのカエデの「花」に着目しました。
皆さんはカエデの花を見たことはありますか?この季節、新緑のカエデが沢山の花をつけているので、ぜひ観察してみてください。今回の講座では、多くの種類のカエデの花が紹介されました。改めて見てみると、形や色が種類によって全然違うのが分かります(写真はオオモミジの花)。
そしてよく見ると、花の子房から2枚の突起が飛び出しています(下の写真の矢印の部分)。
この突起、羽根のように見えませんか?
実はこのあと"タネ"が成熟すると(下の写真)、この突起は本当に羽根のような役割を果たします。
今回は、カエデの"タネ"を模した紙細工(下の写真:付箋紙ほどの大きさの紙の端にクリップをつけたもの)を作って、高いところから落とす実演も行いました。
落としてみると、くるくると回りながら時間をかけて落下しました。カエデの"タネ"は、こうして羽根を使ってゆっくり落下して、風で遠くに運ばれるように工夫しているのでしょう。
普段あまり気にすることのないカエデの花に秘められた秘密から、自然の奥深さを実感できる講座でした。
(自然課 山本)
コメント