県指定文化財 沈南蘋筆「封侯図」
中国清時代・乾隆8年(1743) 鹿沼市・医王寺蔵

人文系テーマ展
浙江省友好提携30周年記念

浙江省ゆかりの絵画と幽微なる風景



開催期間:令和5(2023)年
    7月29日(土曜日)
   〜9月24日(日曜日)

開催趣旨
 中国東部に位置する浙江省は、書聖として名高い王羲之(おうぎし)が流觴曲水(りゅうしょうきょくすい)の宴(えん)を催した会稽山(かいけいざん)の蘭亭(らんてい)や、天台宗発祥の地である天台山とその根本道場の国清寺(こくせいじ)、観音菩薩の浄土とされる普陀山(ふださん)といった、中国の歴史や信仰において重要な聖地が数多く存在します。日本との繋がりも深く、省都杭州市に次ぐ第二の都市寧波(ねいは)市は、かつて遣唐使船や日宋貿易・日明貿易の船の発着地として日本と中国を結びました。また、平安時代の僧最澄は、鑑真和上が日本に伝えた天台の教えを学ぶために天台山に渡って修行し、帰国後に天台宗を開きました。さらに、王羲之による蘭亭での宴は、「蘭亭曲水」という絵画のテーマとして、日本の絵師によって中近世を通じたびたび描かれました。このように、日本と浙江省との交流の歴史は古く、日本の文化に深く浸透していることがわかります。 
 栃木県は、平成5年(1993)に浙江省と友好県省提携を結び、以来、定期的に交流を行ってきました。そして本年は友好提携からちょうど30周年の節目を迎えます。本展では、浙江省の歴史や人物に関連する日本の古美術作品を紹介するとともに、現在の浙江省が見せる得も言われぬ神秘的な美しさの詰まった現代写真をあわせて展示します。浙江省ゆかりの絵画と幽微な現代の風景写真をとおし、過去から現在と久しく続いてきた文化交流の一端をご覧いただければ幸いです。

関連事業
(1)学芸員とっておき講座
 令和5(2023)年9月17日(日) 13:30〜15:00
(2)担当学芸員による展示解説
 令和5(2023)年8月5日(土) 14:00〜15:00
 令和5(2023)年9月2日(土) 14:00〜15:00

展示構成
○描かれた浙江省の風景
小泉斐筆「雨後西湖図」
県指定文化財 小泉斐筆「雨後西湖図」 江戸時代・文政5年(1822)


○蘭亭曲水−書聖王羲之による雅宴
狩野安信筆「蘭亭曲水図屏風」
狩野安信筆「蘭亭曲水図屏風」
狩野安信筆「蘭亭曲水図屏風」 江戸時代(17世紀)


○観音の住む島
赤脚子筆「白衣観音図」
赤脚子筆「白衣観音図」 室町時代(15世紀)


○教えを求めて−浙江省へ渡った人びと
伝狩野元信筆、策彦周良賛「蔬菜図(客来一味図)」
伝狩野元信筆、策彦周良賛「蔬菜図(客来一味図)」 室町時代(16世紀)

官南筆「渡唐天神図」
官南筆「渡唐天神図」 室町時代(16世紀)

○描かれた浙江省の人びと
雪村周継筆「寒山拾得図」
雪村周継筆「寒山拾得図」 室町時代(16世紀)

祥啓筆「猪頭図」
祥啓筆「猪頭図」 室町時代(16世紀)

○浙江省ゆかりの描法
谷文晁派筆「十六羅漢図」
谷文晁派筆「十六羅漢図」 江戸時代(19世紀) 個人蔵

祥啓筆「猪頭図」
県指定文化財 沈南蘋筆「封侯図」
 中国清時代・乾隆8年(1743) 鹿沼市・医王寺蔵

戸田忠翰筆「芭蕉に小禽図」
戸田忠翰筆「芭蕉に小禽図」
江戸時代・天明7年(1787)上野記念館蔵

高久靄黒M「風竹図」
県指定文化財 高久靄黒M「風竹図」 江戸時代(19世紀)

テーマ展「浙江省ゆかりの絵画と幽微なる風景」出品目録



展示協力
栃木県産業労働観光部国際経済課

お問い合わせ
教育広報課 028-634-1312 (直通)

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