出前講座「キノコのふしぎ」を開催しました

9月7日(土)10時~ 宇都宮市立上河内図書館にて、講座「キノコのふしぎ」を開催しました。参加者は小学生からご年配の方まで計13名、講師は現在当館にて開催中の企画展「とちぎのキノコ」を担当した山本学芸員です。

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 始めに、「キノコとは何か?」という話から始まりました。キノコというと何となく植物に近いイメージがありますが、キノコは「菌類」という仲間に含まれ、現在は遺伝子の情報を基に分類した結果、この「菌類」はなんと動物に近い存在だということが明らかになったそうです。

 ただこの菌類、世界に約150万種あるといわれていますが、現在名前がついているものは約10万種しかないと山本学芸員が説明しました。

 また、エツキクロコップタケの胞子が噴き出す様子の動画を見せたり、いろいろな形の胞子の顕微鏡写真を見せたりして、「キノコよって胞子に形が様々なので、他の種類と違うかどうかを顕微鏡で観察して調べる」と説明しました。

 次に「いろいろ!キノコの生き方」。これは、キノコには樹木と共に生きるキノコ「菌根菌」(チチタケやマツタケなど)や地中に生えるキノコ「地下生菌」(トリュフなど)、虫を殺すキノコ「冬虫夏草」(ハチタケなど)と、キノコの種類によって様々な生き方があることを、例を挙げながらわかりやすく説明しました。

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菌根菌と樹木の共生関係

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冬虫夏草の生き方

 その後、昭和天皇が発見されたアカヒトデタケ、100年以上前に日光で発見されたマンネンハリタケ、山本学芸員が発見したクサイロコメツキムシタケなどの栃木のご当地キノコを紹介しました

 最後に、山本学芸員から「キノコの多数の標本を集めるには、市民の皆さんの協力が不可欠。もし何か興味深いキノコを見つけたら、博物館へ持ってきてください。」とのメッセージで講座が終わりました。

 講座が終わった後、何人かのお子さんが気になったことを山本学芸員に質問しに行き、答えてもらっていました。

 栃木県立博物館では、現在企画展「とちぎのキノコ」(~11/4)を開催中です。またテーマ展「世界の!栃木の!!コガネムシ~カブトムシだってなかまだよ~」(~9/23)、「武士の装いー館蔵刀剣武具展―」(~9/23)、「栃木の畑作~麻・麦・かんぴょう~」(~11/10)も同時開催で見ごたえ満載ですので、ぜひご来館ください。

(自然課 三宅)