みなさんこんにちは!まだ5月なのに日差しが夏のように暑くなってきました。
中央公園で新緑を楽しんだあとは是非博物館にもお越しください。
5月19日県博デーにキッズツアー「そういえばこどもの日ってなに?」を行いました。
その様子を紹介します。
今回はキッズ展示「端午の節句ー鎧ー」の前でお話をしました。
5月5日はこどもの日。端午の節句ともいいます。子どもの健康や幸せを願う行事です。
みなさんは5月上旬にどんなことをしましたか?集まっていただいた皆さんにお聞きしたところ、
五月飾りをかざったり、こいのぼりをあげたり、かしわもちを食べたり、しょうぶ湯に入られたかたもいました。
なぜこどもの日はこんなことをするのでしょうか。
諸説ありますが、大昔中国から伝わってきた端午の節句と、日本に昔からあったこどもの健康を願う行事が混ざって定着したのが今のこどもの日と言われています。
中国から伝わってきた端午の節句には魔除けの風習がありました。
旧暦の5月上旬は、今だと梅雨の時期。
季節の変わり目で急に変化する気温に具合が悪くなる人が多くなり、流行り病が広がりやすかったため、5月は縁起の悪い月とされていました。
そこで、香りのいい植物は悪いものを遠ざけると考えられていたため、しょうぶやよもぎなどを摘んできて家の軒先に飾りました。
植物に魔よけの願いを込めるのは日本でも広がり、日本独自の和菓子であるかしわもちを作ったり、香りのいいしょうぶをお風呂にいれるようになりました。
しょうぶは、「勝負」「尚武」といった武道を重んじる言葉と音が同じなので、武士の家で行われていたこどもの健康を願う行事にも利用されるようになります。
ちなみに紫色の綺麗な花がみられるのはアヤメ科のハナショウブですが、香りが良くてお風呂にいれるのはサトイモ科のしょうぶです。
ふたつは似ていますが違う植物なんですね。
そしてかしわもちのかしわは新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから子孫繁栄の縁起物とされています。
次第にこどもの健康を願う行事は武士の家だけでなく一般人にも広がっていきました。
旧暦5月は田植えの時期なので田の神様にお願いをするために柱を立てて、笹の葉をかざります。
これが中国から伝わったこいのぼりの伝説と合わさって今の形になったと言われています。
中国には鯉が滝を登って龍になった伝説があるのでこどもが立派なおとなになりますようにという出世の願い、
鯉は生命力の強い魚なので子どもが丈夫に育ちますようにという健康の願いが込められるようになりました。
はじめは真鯉だけでしたが、緋鯉、子鯉と増えていき仲の良い家族を表すようになりました。
端午の節句は中国から伝わった文化と、日本にもともとあった文化が混ざり今の形になっていったんですね。今後も私たちの生活にあわせて形を変えていくかもしれません。
さまざまな願いを込めた5月は季節の節目、みなさん風邪などひかれぬようお気を付けください。
参加してくださった皆さま、本日はありがとうございました。
次回のキッズツアーは6月16日「フンチュウって、なーんだ」です。
皆さまのお越しをお待ちしております。
教育広報課 解説員
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