キノコの観察会in中央公園

2022年9月18日(日)、キノコの観察会を開催しました。
雨が心配される中、30名の方がご参加くださいました。ありがとうございました。

講師は当館菌類担当の山本航平学芸員。
「これまで中央公園では150種ほどのキノコが確認されていますが、まだ見つかっていないキノコが今日の観察会で見つかるかもしれません。みんなで見つけましょう。」

触るとかぶれる可能性のあるキノコがあるので、見つけたらまずは山本学芸員に声をかけるようにお願いをして、中央公園へ出発。キノコはどこかな?みなさんの視線が地面へと注がれます。

子どもは目線が低いからでしょうか。「ここにキノコがあります!」「このキノコはなんですか?」とお子さんからも次々と声がかかり、山本学芸員は大忙し。

tansaku.jpg

キノコの姿は大きくなる間にどんどん変わってしまうので、図鑑の写真と見比べて種類を調べるのはとても難しいそうです。食べられるキノコに似ている毒キノコ、というものがありますので、素人が判断するのはとってもキケン。

tokiiro.jpg
こちらは中央公園で初めての確認となりました、トキイロヒラタケ。フジの幹に生えていました。
トキイロヒラタケは食用として栽培・販売されています。


そして、本日のメインイベント!冬虫夏草(とうちゅうかそう)を掘り出します。
冬虫夏草は、虫に寄生するキノコで、キノコは地上に出てきますが、虫は土の中。
どんな虫に寄生しているのか土から掘り出してみます。
horu.jpg
途中で切れてしまわないように、慎重に掘っていきます。

semi.jpg
土の中から出てきたのは、ツクツクボウシの幼虫(矢印)。
ツクツクボウシから生えたキノコは、その名もずばり「ツクツクボウシタケ」
一緒にお皿にのっている白いセミは、同じく冬虫夏草の「セミノハリセンボン」が寄生しています。

今回の観察会では、ツチグリ、ムラサキヤマドリタケ、ニオイコベニタケ、モリノカレバタケの仲間、ナラタケモドキ、キアシグロタケ、クロコブタケ、、など30種類ほどのキノコを観察することができました。


************
栃木県立博物館では、開館40周年記念特別企画展「鑑真和上と下野薬師寺~天下三戒壇でつながる信仰の場~」が開催中。10月30日(日)までとなっております。ご来館をお待ちしています。

(自然課 猪狩)