博物館でやってみよう「探検!縄文時代」を行いました

みなさんこんにちは!

毎日寒い日が続きますね。今年も、前向きに、明るく元気に始めたいと思います!

さて、1月10日(祝・月曜日)に "博物館でやってみよう!"「探検!縄文時代」を行いました。

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

では、当日の様子をご紹介します。

縄文時代といっても『それはどんな時代?』、『どんなものを食べていたの?』、『どんなところに住んでいたの?』など、さまざまな疑問が浮かんでくると思います。そんなモヤモヤを少しでも解消できるよう、博物館の展示資料を見ながら、事前説明をさせていただきました。

みなさん、真剣に聴いてくださってありがとうございます。

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大谷寺洞穴遺跡では、人骨(複製)について、お話ししました。左右の骨の太さが少し違っています。生前、病気であったと考えられています。病気でありながら、成人に達するまで生きてこられたということは、縄文時代にはすでに介護のようなことが行われ、助け合いながら厳しい環境を生き抜いていたのではないか、と想像できます。このようなケアが行えたのも、縄文時代が定住社会であったことと、こうした人々を養えるだけの余力があったのではと考えられます。

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縄文土器が誕生したおかげで、人々は「食べ物を煮たり焼いたり」することができるようになり、さらに食べ物を料理して保存することができるようになったんです。縄文人の道具の中でも、縄文土器が極めて重要であったと考えられています。縄文土器のおかげで、旧石器時代の「獲物を追いかけ、移動する生活」から「一か所に落ち着いて住める生活=定住」になったんですね!

ちなみに「縄文土器」とは、縄文時代に作られ、使用された土器のことを言います。すべてに縄目文様があったわけではありません。多種・多様な文様があります。

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(展示を見ながら当時の縄文人の様子を思い浮かべているのかな?)

縄文人は貝を採集し、食べた後の貝殻を捨てました。貝塚は、その捨てた貝殻が堆積したものです。随分たくさん食べたんだね!旧石器時代から縄文時代になると、地球規模の温暖化によって南極・北極などの氷が融けだし、海面が上昇し、海岸線が内陸部に入り込みました。『縄文海進』と言います。現在の海岸線よりも50~60km奥地の埼玉県栗橋から栃木県藤岡付近まで内湾になったと推定されています。そういうわけで、海なし県の栃木県でも「篠山貝塚」や「野渡貝塚」などが見つかっているんです。

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博物館に展示されている犬形土製品は、国の重要文化財に指定されています。

縄文犬は、出土する骨などから、今の犬より凹凸の少ないキツネのような顔をしていたようです。大きさは、現代日本犬の柴犬とほぼ同じだったと考えられています。縄文人にとって、縄文犬は狩りの大事な相棒でした。時には、人と一緒に埋葬されていることもあり、かけがえのない存在だったことが想像できますね。縄文時代も "ペットロス" は、あったのかな?

さあ、これから縄文時代を実感していただくための"体験"です。縄文時代の道具などに触れることで、当時の生活を想像してください。

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普段は貫頭衣(かんとうい)という衣服をきていたようですが、冬にはこんな動物の毛皮を防寒用の衣服としていたかもしれませんね。縄文人は日本列島の四季に応じて衣服を替えていったと考えられています。でも衣服の形をしたものは、出土例がないので、あくまで推測ということです。

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"縄文カレンダー"から、縄文人がどんな物を食べていたのかをみなさんにお話しました。縄文人の食生活を支えたのは、日本列島の多彩で豊かな自然環境でした。縄文人は自然から恵みをいただくことで命をつなぐことができたんです。集落の周辺に多様な環境があって、しかも一年の季節の変化が春、夏、秋、冬とはっきりとしている日本列島は、食料資源に恵まれていたのかもしれませんね。

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打製石斧(だせいせきふ)は、主に土を掘る道具として使われました。写真の解説員が手に持っている打製石斧は、樹木の幹と枝分かれ部を利用して石器を幹の部分に装着しています。鍬(くわ)先や鋤(すき)先のように用いてイモ類を掘ったり、竪穴住居の床や柱穴を掘ったり、食料を保存する貯蔵穴を掘るのにも使われました。縄文人にとっては必需品の一つと考えられています。でも、これで土を掘るのは大変だったでしょうね。

最後に参加者のみなさんに縄文時代についての問題をお配りしました。解答が選択式の問題になっています。博物館の中に正解が展示されています。

みなさん、博物館の中を"探検"しながら、答えを見つけてくださいました。結果は、全員正解でした。ありがとうございました。

次回の"博物館でやってみよう"は、2月6日(日曜日)予約制の「化石レプリカづくり」ですが、大好評につき予約がいっぱいになってしまいました。申し訳ありません。

その次は、2月23日(水曜日)「折り紙でおひなさまをつくろう」です。予約は不要ですので、お気軽にお越しください。

教育広報課 解説員 細谷 小池