第131回企画展「木と木の実の考古学~縄文時代の低湿地遺跡と植物の利用~」関連講座が開催されました。

 令和3年10月9日(土)から開催中の企画展に合わせて、10月23日(土)に関連講座①が開催されました。

 今回は、「民俗事例から見た植物利用~栃木県と福島県の県境地域を中心として~」と題しまして、当館名誉学芸員であり、とちぎ未来大使でもある柏村祐司氏にお話しいただきました。大勢の方にご参加いただきありがとうございました。

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 山間部における民俗事例から、縄文時代の人々の木と木の実の利用の一端を探るお話はとても興味深く、改めて民俗調査の重要性を感じました。

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 栃の実は、飢饉や食糧不足を補うための救荒食として山間部で保存され、利用されていました。栃の実の採集時期は、秋の彼岸の頃になります。ヤマノクチアケと呼ばれる採集解禁の取り決めがあり、住民が等しく採集できるようになっていました。栃の実のシブ出しやアク出しの方法については地域によって方法に違いが見られます。

 また、栃の実採集に使うカゴや、大きい袋ものなども紹介され、縄文時代の遺跡から出土する編み組み製品と比較しても、その使い方には共通点がありそうです。素材となる植物や木の皮などは身近なものを使い、素材の採集時期、保存についても興味深いお話を聞くことができました。

 基本的な知識や技術といったものは代々伝えられたものであり、伝承の大切さを痛感しました。

 栃の実やドングリなどの木の実を広げて、実際に見て頂きました。

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 企画展示は11月23日(火・祝)まで開催中です。今後も記念講演会や関連講座が予定されています。

10月31日(日)13:30~15:30 定員150名 要予約

記念講演会「低湿地遺跡からわかること」

講師:大田原市なす風土記の丘湯津上資料館長 上野修一 氏

※聴講には当日の観覧券が必要です。

11月7日(日)13:30~15:30 定員150名 要予約 聴講無料

関連講座②「栃木の貝塚研究最前線」

講師:栃木県考古学会顧問 竹澤謙 氏

   栃木県考古学会会員 細谷正策 氏

 実際の発掘調査や研究について、直接お話が聞ける貴重な機会です。みなさまのご参加をお待ちしています!

(人文課 中山)