3月7日(日曜日)に、リレー講座「すごくディープな日光の貝とミミズ」を行いました。この講座は、企画展の「ちょっとディープな日光の自然ガイド」のリレー講座であり、新型コロナ感染拡大防止のために他のリレー講座が中止になった中で、唯一開催することができたものです。8月30日に実施した同じ講座の内容をさらにわかりやすくバージョンアップしました。
まずは、貝についての説明がありました。栃木県には150種類の貝類が分布しており、日光市には97種類が確認されていますが、日光市固有種の貝はいません。
ただ、栃木県の低地と奥日光ではよく見かけられるカタツムリの種類や殻の色が違っています。宇都宮からいろは坂の下までは右巻きのヒタチマイマイや、殻の色が薄くて小型のヒダリマキマイマイ(平地型)が見られますが、いろは坂より上の奥日光では、殻の色が濃くて大型のヒダリマキマイマイ(山地型)しか見つかりません(湯元で採集されたヒタチマイマイは、人為的な持ち込みだと考えられます)。
後半は、ミミズの話。実は、南谷講師はミミズの研究者であることについて自己紹介。栃木県には34種類が分布しており、日光市では24種類のミミズが確認されています。低地でしか見つからないヘンイセイミミズや、山地でしか見つからないユノシマミミズなど、とてもディープな話がくり広げられました。
最後に、ザトウムシ、プラナリア、ダンゴムシなど、さまざまな無せきつい動物の紹介がありました。いずれも、近縁種とすみ分けており、低地で見かけるものと奥日光で見られるものは、種類が違っています。奥日光へ遊びに行った際には、ぜひ低地の生き物と見比べてみてください。
講演の最後に、参加者からたくさんの質問を頂きました。
講演後、希望者はカタツムリやミミズなどの生体や標本を手に取って観察しました。
企画展「ちょっとディープな日光の自然ガイド」は、3月28日(日曜日)まで開催されています。皆様のお越しをお待ちしております。
(自然課 渡辺)
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