11月29日(日)に第127回企画展「貝ってすてき!~美しい貝、美味しい貝、とちぎの貝、大集合~」の記念講演会「住み続ける貝、入ってくる貝、そして未来は?」を行いました。
千葉県立中央博物館上席研究員 黒住 耐二氏をお招きし、
住み続ける貝(在来種/土着種)、滅んでいく貝(絶滅種/消滅種)、入ってくる貝(外来種/移入種)について、ご講演いただきました。
まず、アサリやハマグリの話題です。
アサリは在来種ですが、近年激減しており、現在流通しているアサリのほとんどは黄海からの輸入品です。
また、内湾に生息していた在来種のハマグリもほとんど絶滅しており、黄海等のシナハマグリが輸入されており、千葉や茨城の外海のチョウセンハマグリも流通しています。
さらに、外来種のホンビノスガイやカガミガイの紹介がありました。
クラムチャウダーの「クラム」は「ハマグリ型の二枚貝」という意味があるそうです!
次に、栃木市にある縄文時代前期の篠山貝塚の紹介がありました。
篠山貝塚で見つかる貝は、ほぼ全てヤマトシジミです。ヤマトシジミは、汽水域(海水と淡水が混じる水域)に生息しています。
さらに、この貝塚から僅かに、ハマグリやハイガイ、マガキなども見つかっています。
これらの貝殻に加工した形跡があることから、道具や飾りとして利用されていたようです。
ここでは紹介しきれませんが、そのほか、栃木県にも暮らしている陸上の貝(カタツムリ)や真水の中で暮らす貝を紹介していただきました。
最後に、貝の未来についての話題がありました。
海外から多くの外来種が日本に入ってきている現状がありますが、日本の生態系を守るためにも「外来種を持ち込まない・放さない」という原則を意識することが大切であり、
また、「自然保護運動」「SDGs(持続可能な開発目標)」などの活動がありますが、直接関わることが難しくても少しでも興味をもち意識を持ち続けることも大切です、というお話がありました。
過去から未来の人と貝の関わりについて、さまざまな話題をご提供いただきました。
60名のお客様にご参加いただき、大盛況の講演会となりました。
ありがとうございました。
なお、第127回企画展「貝ってすてき!~美しい貝、美味しい貝、とちぎの貝、大集合~」は12月20日(日)まで開催しています。
また、以下のように関連行事が予定されています。
*12月6日(日)14:00~15:00 担当学芸員による展示解説
詳しくはこちらをご覧ください。
会期の終了が迫ってきました。
お誘い合わせの上、ぜひご来館ください!
(自然課 森嶋)
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