9月13日(日)に、リレー講座第5弾!「かなり不思議な日光の両生類」を行いました。
担当は、林です。
まず、奥日光の動植物調査に関する歴史の紹介から始まりました。
明治時代、イギリスやイタリアなどの大使館の別荘があったことから、
来訪した動植物研究者によって標本が集められ、西洋式博物学の中心地として発展してきました。
そのため、日光赤沼産の標本に基づいて新種記載されたヤマアカガエルのように、多くの動植物の調査が行われてきました。
さて、本題の両生類の紹介です。
日光地域には、サンショウウオ・イモリの仲間が4種類、カエルの仲間が12種類も生息しています。
まず、ナガレタゴガエルの紹介です。
栃木県では、1998年に佐野市で見つかって以降、分布地が調査されてきました。
栃木県のナガレタゴガエルは、大谷川より南側の山地には分布していますが、大谷川より北側では見つかっていません。
なぜこのような分布地をもつのか、明らかになっていないようです。
次に、タゴガエルです。
栃木県産のタゴガエルは、大きさが異なり、西>東>奥日光の順で大きさが小さいことが紹介されました。
次は、奥日光の水の中の生き物です。
奥日光のすぐ近くである栗山地域や霧降高原では生息しているのに、奥日光では見つからない生き物がいるようです。
最後に、ハコネサンショウウオです。
たくさんの幼生の滝登り行動の動画が紹介されました。
しかし、なぜこのような行動が見られたのか?、また、どこに卵を産んでどのような生活をしているのか?、多くの謎があるようです。
講演開始前と講演後には、ヤマアカガエル、大きさの異なる3種類のタゴガエル、ナガレタゴガエルの液浸標本を見ていただきました。
7月から始まったリレー講座全5回は、今回で終了です。
日光のディープな内容のリレー講座、いかがでしたか?
なんと、全5回すべてにご参加いただいた方もいらっしゃいました!
ありがとうございました。
今回の全5回のリレー講座の内容の一部は、これからスタートする展示でも紹介する予定です。
●10月10日(土)から開催予定
企画展「貝ってすてき!~美しい貝、美味しい貝、とちぎの貝、大集合~」
テーマ展「日光産の標本から学名がついた動植物」
●2021年1月16日(土)から開催予定
企画展「ちょっとディープな日光の自然ガイド」
リレー講座を聞いてもっとディープな日光を知りたくなった方や、講座を聞き逃してしまった方、
ぜひお越しください。
(自然課 森嶋)
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