みなさんこんにちは!
秋もすっかり深まって風が寒くなってきましたね。体調を崩されぬようお気をつけてください。
11月17日日曜日、県博デーにキッズツアー「よろい・かたなばなし」を行いました。
みんなが知っている鎧や刀についてお話をさせていただきました。
こちらは体験用の鎧です。
今でもドラマやアニメやゲームなどで私たちも目にする鎧や刀ですが、
昔争いのために使われていた道具でした。
しかし改めてよく見てみると道具としての機能面だけではなく、その製作者、使用者が込めた願いが垣間見えます。
まず最初に刀のお話をさせていただきました。
おもちゃの刃物と実寸大の刀の写真を皆さんに見ていただきました。
おもちゃの剣は外国の剣がモデルになっています。おもちゃのほうは両方が刃になっているのに対し、日本刀は片方だけ刃になっています。
日本刀は斬りかかるように使っていたのに対し、外国でこのような武器は先端を突くように使っていたようです。
そのためか外国で使われていた鎧は、隙間の少ない、全身を覆ったような鎧が多いようです。
鎧は当時どのような武器を使っていたかで、見た目や素材が変わります。
博物館の体験用の鎧を見てみましょう。
簡単に胴の部分だけ着てもらいました。
どちらも日本の鎧なのに見た目や形が違います。
左の鎧は『大鎧』。平安時代から鎌倉時代に使われた鎧で、馬に乗って弓引くのに適した鎧です。
右の鎧は『当世具足』。戦国時代に使われていた鎧で、金属で作られています。銃の弾を防ぐために造られた鎧です。
それぞれの時代に使われていた武器に合わせて鎧は実用的に変化していきました。
え、日本刀は?と思われるかもしれませんが、実は弓矢や銃に比べると日本刀が戦に使われる機会はあまりなかったようです。
そして戦が多くなってくると、武具の製作者、使用者は願いを込めてこんな武具を使うようになりました。
こちらは当館の展示室1にj展示してあります。兜に二股大根がついていますね。
二股大根は縁起のいい野菜だと考えられており、大黒天という神様のお供え物になっていました。
戦の多い不安定な時代は仏様や神様に戦の無事を願ったり、戦に勝てるようにと、
縁起のいいものを模して兜に飾りつける『変わり兜』が見られるようになりました。
全国の変わり兜の中には虫や動物や様々なものに模したユニークなものもあります。その形にこめられた意味と合わせて是非調べてみてください。
実はこうした願いは刀の刀身にも見られます。
こちらは博物館で収蔵している日本刀「太刀 銘 勝広造」の写真です。※普段は展示しておりません。
このように梵字が彫られているものがあります。梵字は一文字で仏様をあらわしており、こちらの梵字は不動明王をあらわしています。
鎧や刀のなかには、戦の道具としての機能面だけではなく、当時の使用者の願いがこめられています。
当館や他の施設で鎧や刀を御覧になった際、是非それぞれの武具や武器にこめられた願いも想像して頂ければと思います。
次回の県博デーは12月15日(日曜日)です。キッズ・ツアーは「ネズコレフレンズ」を行います。
来年の干支「ネズミ」のいろいろなお話をします。
皆さまのお越しをお待ちしております。
教育広報課 解説員
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