講座「昆虫標本をつくろう」を行いました

8月10日に、昆虫標本作製の講座を行いました。

はじめに、佐野市や栃木市などで問題になっている、特定外来生物クビアカツヤカミキリについての話をしました。

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このカミキリムシは、幼虫がサクラやモモなどの木を内部から食べて、枯らしてしまいます。
このままではお花見ができなくなったり、桃が食べられなくなったりするかもしれません・・・
その前に、たくさんの目で見つけて、サクラやモモを守りましょう!

次に、クビアカツヤカミキリが配られ、みんなで手に取って大きさや色を見てみました。
思っていたより大きい?小さい?どんな色をしている?など、実物を見てみるとよくわかります。

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さて、いよいよ標本づくりのスタートです。
まず、クビアカツヤカミキリにまっすぐ針を刺します。針を刺す位置は、中脚と後脚の間くらい、右利きの人は右のはね、左利きの人は左のはねです。
針を刺したら、平均台(下の写真、階段状の台です)を使って虫の高さを揃えます。下の写真の平均台には5つの穴が開いていて、同じ穴に針を刺すと高さが同じになるようになっています。虫の高さが同じだと、たくさんの標本を観察するときに便利です。

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次に、脚や触角の形をピンセットで整え、必要に応じて針で押さえます。どんな形にするか、特に決まりはありません。ですが、左右が同じ形になっていると、きれいな標本になります。

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脚や触角を整えたら、採集した時の情報が書かれたラベルを標本のそばに針で刺しておきます。
「いつ」「どこで」採集されたものなのかが標本にとっては一番大事な情報です!

標本づくりがうまくなるコツは、たくさんの標本を作ることです。そのために、コガネムシやカミキリムシ、さらにはスズメバチなどの中から、好きなものを選んで標本を作りました。

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中でも、カブトムシやクワガタは大人気です。しかし、ものによって大きさはバラバラ・・・
なので、選ぶ順番をみんなで話し合って決めました。

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発泡スチロールの上に、次々と標本が作られていきます。
中には7つも8つも標本を作った子がいました。

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発泡スチロールが標本でいっぱいになり、みんな満足していますが、実は、標本づくりはこれで終わりではありません。家に持ち帰ってから続きがあります。
まず、1か月くらい標本を乾かします。
乾燥したら、発泡スチロールから針を抜きます。しかし、ここで一つ注意があります。標本は、乾燥すると壊れやすくなるので、壊さないように気を付けて針を抜かなければなりません。針を抜く手順は、①まず脚や触角を固定するときに使った針を抜く。②次に標本に刺さっている針を標本ごと抜く。です。
針を抜き終わったら、そばに刺しておいたラベルを昆虫の下に刺して、昆虫標本は完成です!

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みんなの標本が無事に完成しますように。

(自然課:鈴木)