みなさま、こんにちは!
少しずつ寒さの厳しい季節になってきましたね。
さて、11月18日の県博デーにて、キッズツアーを行いました!
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
今回は「神さまと仏さま」を行いました。
神さまと仏さまは、「神様仏様」や「神仏」などと言って、一緒に呼ぶことが多いですね。
今回のキッズツアーでは、神さまってなんだろう、仏さまってなんだろう、神さまと仏さまって何が違うのかな、というお話をしました。
はじめに「神さま」のお話です。
日本では古来から、「八百万の神がいる」と言われてきました。
「八百万」とは、「やおよろず」と読み、800万という数字的な意味ではなく、数えられないほどたくさんという意味だそうです。
日本には、そんなにたくさんの神さまがいたんですね。
いったいどんな神さまなのでしょうか?
展示室に入り、神さまや仏さまに関係するものを探しに行きました。
日本では古くから、山や川や木や植物などの自然のものや、
天気や地震などの自然現象のなかに、目には見えない、人の力を超えた「何か」を感じていました。
豊かな自然と共に生きるなかで、自然に対して畏れや感謝の念を生みました。
人々はそれを「神」と呼びました。
目には見えませんが、いたるところに山や木や川などの色々な神さまがいたんですね。
時代が降り、6世紀頃に、百済から仏さま(仏教)が伝わりました。
当時の日本では、仏さまのことを外国から来た神さまと認識していたようです。
仏さまは、元々日本にいたわけではなく、外国から伝わったのですね。
仏像には、種類があるってご存知でしたか?
仏像は「如来」「菩薩」「明王」「天部」の4つのグループに分けられるそうで、こちらは、如来グループの薬師如来です。
如来は、悟りを開いた者のことを意味します。
実は、仏像を見ただけで如来グループの仏像だと分かるんです!
それは頭髪です。パンチパーマのように見える髪型は、「螺髪(らほつ)」と言って、髪が渦を巻いている様子を表しています。
知恵に優れていることの象徴のひとつだそうです。
また、如来は悟りを開いたお釈迦様がモデルなので、着ている服(衲衣)がとてもシンプルな作りです。
仏さまが日本に浸透していくと、神さまと仏さまの関係について、
人間と同じように悩んだり苦しんだりする神さまを、仏さまが救済してくれる、と考えたり
仏さまの守護神として神さまがいる、など
色々な考えが生まれました。
そのような中で、いつからか、神さまも仏さまも元は同じなのだ、という考えも生まれました。
それを「神仏習合」と言って、このような考え方は約1000年もの長い間続きました。
神社の中にお寺に関係するものがあったり、反対にお寺の中に神社に関係するものがあるのは、そのためです。
その後、今から150年前に「神仏判然令」という、神さまと仏さまをきっちり分けようという決まり事ができました。
そのため、現在では神さまと仏さまは違うと考えられています。
ですが、長い間、神さまも仏さまも同じという考えが続いていたため、今でも人々の間では「神仏」として、同じように捉えていることも少なくないのではないでしょうか。
最後は、栃木県にゆかりのある神さまを探しに行きました。
「日光東照宮」です。
江戸幕府を開いた「徳川家康」は、「東照大権現」という関東の守り神となりました。
「東照」とは「東を照らす」から、仏の世界の東の彼方に住む「薬師如来」のことです。
「大権現」とは「権りに現れた神」という意味で、
徳川家康は、薬師如来の権化とされています。
このように、日本では偉業を成し遂げた人物が神になることがありましたが、
反対に、この世に災いが続き、それが恨みを残したまま亡くなった人の霊が原因だと考え、その霊を鎮めようと神として祀ることもありました。
日本には本当に色々な神さまがいるのですね。
今回はお話が中心となったキッズツアーでしたが、
最後までご参加いただき、ありがとうございました!
次回のキッズツアーは、12月16日の県博デーに実施されます。
「はっけん!むかしぐらし」です。
昔の道具は工夫がいっぱい!どんなものがあるのかな?
解説員さんと色々みてみよう!
皆様のお越しをお待ちしております。
(解説員 齊川)
コメント