9月8日(土)、観察会「土と肥料の微妙な関係」を行いました。
講師は、宇都宮大学の平井先生です。
最初に観察するものは・・
「お米(稲)」です!
今回は、5種類の方法で育てた稲を観察します。
ここでは、「肥料を加えずに育てた稲(肥料なし)」と「加えて育てた稲(肥料あり)」を紹介します。
まずは、稲1株に何本の茎が生えるのかを数えてみます。
「肥料なし」と「肥料あり」では、どちらが多いのでしょうか?
結果は・・
「肥料なし」は12本、「肥料あり」は17本でした。
1本の茎に100粒のお米がついているとすると、
「肥料なし」は1200粒、「肥料あり」は1700粒になります。
ちなみに、お茶碗山盛1杯分は3600粒だそうで・・
「肥料なし」では3株分、「肥料あり」は約2株分となりますね。
さらに、1株が育つ面積は、約500㎠になるそうで・・
「肥料なし」では1500㎤、「肥料あり」は1000㎤となります。
よって
「肥料あり」は、「肥料なし」に比べ「少ない面積で多く収穫できる」ということがわかりました。
平井先生によると、現代よりも米を多く食べていた江戸時代は、「肥料なし」の田んぼで米を作るために
現代よりも田んぼが多く必要で日本中に田んぼがあった、とお話されていました。
最後に、1人が1年間で食べる平均的なお米の量(お茶碗一杯70g×1日2回×365日=約51㎏とします)
を実際の田んぼでみなさんに体感していただきました。
現代は、「少ない面積でお米を作れるようになったが、食べる量が減っている」と言われています。
今後、日本のお米はどうなってしまうのでしょうか?
個人的には、もう少しお米を食べよう!と感じました。
ここまでが観察会の前半です。
観察会の後半は・・
そもそも、土ってなんだろう?どんな働きがあるのかな?ということで、
土を学ぶ実験を引き続き、平井先生に行っていただきました。
まずは、地面を深く掘った場所を観察します。
断面をよく見ると色が違う部分があり、
上部が黒、中間部が茶、下部が山吹色、の3層になっています。
そこで、色ごと(層ごと)に土を採取しました。
その土を触ったり観察したりしました。
「気持ちいい~」「おかしみたい」という楽しそうな声も聞こえてきました。
いよいよ実験です!
まずは、スポイトで土に水を加えていき、水をたくわえる力(保水力)を観察しました。
水が土からしみだしてきたら加えるのをストップ。
土にどれくらいの水を加えたかを測定します。
3層のうち、1番水をたくわえたのは、どの層だと思いますか?
他にはこんな実験も行いました。
土に含まれる空気を測る実験です。
水中にしずめた土から出てきた空気を測定します。
1番空気が含まれていた層は、どの層だと思いますか?
結果は・・
保水力、空気の実験ともに3層のうち1番上の土(表層土)でした。
土には、水や空気をため込む「すきま」があり、スポンジのようになっているのです!
この「すきま」に、植物は根をのばし、いろいろな生き物は暮らすことができます。
稲もこの「すきま」に根をのばしお米を実らせ、私たちはそれを食べることができるのですね。
ここでは、すべてを述べきれませんが、土にはもっとさまざまな働きがあります!
気になる方は、ぜひ調べてみてください。
盛りだくさんの内容となった本観察会、
参加者のみなさま、宇都宮大学の平井先生をはじめ宇都宮大学の学生のみなさまに
この場を借りて御礼申し上げます。
(自然課 薄井・三瓶)
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