8月19日(日)に、県博デーがありました。
今回のとっておき講座では、栃木県内での調査で判明したカエルとサンショウウオの最新情報を、3件紹介しました。
まず1つ目は、栃木県から新たに見つかった未記載種(新種)のカエルについてです。
栃木県にはタゴガエルというカエルが生息しているのですが、このカエル、どうやら地域によって大きさが違う別の種類がいるようです。
新種を見つけると、その種類がどの範囲まで生息しているのか、どういう進化をしてきたのかなど、疑問が尽きません。
2つ目は、サンショウウオの滝登りについてです。
「鯉の滝登り」という慣用句がありますが、サンショウウオだって滝に登る!ということが判明しました。
なんと、水が流れる岩場を、ハコネサンショウウオの幼生が水に逆らって集団で登っていくのです。
さて、このサンショウウオ達はなぜ滝を登っているのでしょう。
林学芸員によると、奥日光の沢は下流域が急激に干上がってしまうことがあります。そんな時に、水が残っている上流に向かってサンショウウオの幼生たちが移動しているのではないか、ということです。
3つ目は、栃木県で分布を広げているヌマガエルというカエルについてです。
このカエル、元々は暖かい地方に住んでいるカエルでしたが、栃木県では1999年に見つかりました。
その後、林学芸員は、仲間の研究者と共にこのカエルがいなくなるのか、増えるのかなどについて調査を行っています。
その結果、2001年では県南部の狭い範囲にいたものが・・・
2002年には広がっていき・・・
2017年には、県央部まで広がってきています。
このカエルがどうやって栃木県に入ってきたのか、絶滅危惧種を含め、周りの環境に影響があるのかなど、疑問は尽きません。
今後、これらの生き物たちについて、どんなことが判明していくのか、楽しみですね。
現在開催中の企画展「レッドデータブックとちぎ2018」では、他にも関連行事を予定しています。
8月26日(日)記念講演会「消えゆく生物からのメッセージ~菌類(きのこ・カビ・酵母)を例に~」
9月9日(日)リレー講座「植物」
9月30日(日)リレー講座「セキツイ動物」
ぜひ参加してください。お待ちしております。
(自然課 鈴木)
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