当博物館では、10月8日まで第121回企画展「レッドデータブックとちぎ2018」を開催しています。これに関連して、8月12日(日)には「無セキツイ動物」に関する講座を行いました。今回の担当は、無セキツイ動物担当の南谷学芸員です。
まず、レッドデータブックとは、絶滅のおそれのある野生生物の現状を評価し、これにランクをつけてまとめたものという説明がありました。そこに記載されている種類数は1,536種ですが、栃木県では1990年代に栃木県自然環境基礎調査という調査が実施されており、ここでは16,565種類が調べられていたそうです。栃木県内での生物の多様性が反映されているようです。
続いて、エビ・カニ類、淡水産貝類、陸産貝類、土壌動物などの項目に分けて、主要な生物の写真や標本などを交えて説明がありました。
良く知られているサワガニやマルタニシなどは要注目のランクですが、過去の調査データがほとんどなく、情報の集積が必要だそうです。
レッドデータブック改訂のための調査を通じて、40年ぶりに発見されたアツブタガイや、新たな生息地が発見されたベニゴマオカタニシ、調査初期にはなかなか見つからなかったけれども、コツをつかんだら見つかるようになったチュウゼンジギセルなど、興味深いお話しがいろいろとありました。
これは、チュウゼンジギセルです。
今回は、栃木県内に生息する無セキツイ動物のお話でした。普段あまり目につかないことも多いと思いますが、これらの生物の調査は、私たちを取り巻く環境の変化を捉えるためにも大切なものとなっています。
南谷学芸員からは、県内の無セキツイ動物にぜひ多くの皆さんの関心を持っていただき、研究したり調査したりする仕事をやリたいという方が現れることを期待しています、と熱い呼びかけがなされました。
なお、今後の関連行事の予定は以下の通りです。
8月18日(土)展示解説②
8月19日(日)学芸員とっておき講座「カエル・サンショウウオ最新情報!」
8月26日(日)記念講演会「消えゆく生物からのメッセージ~菌類(きのこ・カビ・酵母)を例に~」
9月9日(日)リレー講座「植物」
9月30日(日)リレー講座「セキツイ動物」
多くの皆様方のご参加をお待ちいたしております。
(自然課 浅羽記)
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