キッズツアー「いと お菓子」を行いました

みなさん、こんにちは!

館内消毒のため、博物館は二週間ほど、お休みしていました。

7月14日からは、新しい企画展・テーマ展も始まります!

楽しい夏の思い出に、博物館で過ごす一日も、ぜひ加えてくださいね。

 

6月17日の県博デーに、キッズツアー「いと お菓子」を行いました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

当日の様子を少し、ご紹介いたします。

 

初めに、五月と六月のお菓子の話をしました。

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五月五日の子どもの日のお菓子といえば、柏の葉で餅をくるんだ「柏餅」ですね。

私たちには馴染み深いお菓子ですが、関西地方(特に京都)では、「粽(ちまき)」の方が有名で、西日本の柏の葉が手に入らない地域では、サルトリイバラという植物の葉でくるんだ餅を「柏餅」の名前で売っています。

行事と関わりの深いお菓子も、住んでいる場所によって、いろいろですね。

六月を古い言葉で「水無月(みなづき)」と言いますが、六月三十日に神社で行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」という伝統的な行事があって、この日に欠かせない「水無月」というお菓子があります。

三角形の形は、氷を表すとも言われています。

そして、六月十六日は、お菓子と関係の深い日です。

昔、「嘉祥(かじょう)」という行事が、この日に行われていました。

暑さが本格化して、病気にかかりやすくなるこの時期に、災いを避けるために、お菓子などを食べる行事です。

明治時代以降、この行事は廃れてしまいましたが、1979年に、全国和菓子協会により、嘉祥は「和菓子の日」として、よみがえりました。

 

続いて、お菓子の歴史を見ていきました。

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はるか昔は、自然に生えている木の実や果物が、お菓子の始まりです。

その後、中国やヨーロッパから、さまざまなお菓子が伝えられ、日本人に合うように工夫を重ね、豊かな菓子文化が育まれていきました。

お菓子の発展は、茶の湯文化とも関わりがありました。

茶臼でお茶を挽く体験をしましたが、雰囲気を感じられたでしょうか?

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明治時代の話ですが、サツマイモで作られた「芋ようかん」は、明治32年(1899年)に、東京の浅草で売り出されたのが始まりです。

その後、お店が栃木県に移転したので、元祖のお店は足利にあるんです!

「舟定(ふなさだ)」というお店です。

芋ようかんと言えば、浅草の舟和というお店が有名ですが、こちらは舟定で一緒に働いていた人が独立して開いたお店で、みつ豆の元祖のお店です。

森永製菓の誕生も、同じ年、明治32年(1899年)です。

現在販売されている森永製菓のお菓子のパッケージで、お菓子の発売年当てクイズをやってみました。

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用意した6つのお菓子の中で、一番古いのはキャラメル(大正3年・1914年)、一番新しいのは、おっとっと(昭和57年・1982年)でした。

 

ツアーバッチを首に提げてもらい、展示室1にお菓子ツアーに出発です。

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展示物を案内しながら、お菓子をご紹介しました。

ツアーバッチの松は、足利学校の字降松(かなふりまつ)ですよ。

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栃木県の歴史と関係のあるお菓子は、今回紹介しただけでも、たくさんありましたね。

お菓子のお話で、栃木の歴史や文化に親しんでもらえたら、嬉しく思います。

 

次回のキッズツアーは、7月15日(日曜日)『はにわ、しってる?』です。

古墳の上のふしぎな世界をのぞいてみよう!

 

また、この日は県博デー(博物館の日)として、他にもたくさんのイベントを開催いたします。

皆さまのご来館を、お待ちしています!

 

(教育広報課 解説員 落合)