収蔵資料活用促進展示「収蔵庫は宝の山!-初公開の化石・鉱物・動植物-」(その2)

新年度が始まり、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

現在、「収蔵庫は宝の山!」展(2017318日(土)~618日(日))を開催しています。

今回の展示では、収蔵庫に保管されていたために、大きな発見に繋がった!という標本たちも展示されています。

まずはこの昆虫たちです。

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これらの標本は、全て栃木県内で採集されたデオキノコムシという昆虫です。標本にはすべて、採集された場所と年月日のデータが記録されています。そのため、どの種のデオキノコムシがいつ、どこにいたのかを示す証拠になります。

さらに、収蔵庫に保管されていたデオキノコムシの500個体を超える標本が、2015年に研究された結果、12種も栃木県で新たに分布していることがわかりました。

次は、この植物をどうぞ。

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このマルバオモダカという植物、壬生町から採集された標本で、未整理の標本を整理している時に発見されたものです。この発見がされる前までは、壬生町にこの植物があるということは本による記録があるだけでした。現在、県内にマルバオモダカが生育している場所はないため、本の記録を信じていいかどうか判断する手掛かりがなかったのですが、この標本の発見によってその記録が裏付けられました。

今回ご紹介した標本たち。研究に利用されることで、後世になって新発見の手掛かりとなる標本。収蔵されていることがわかって過去の記録を裏付ける証拠となる標本。このような、まさに「お宝」がたくさん保管されているのが収蔵庫。

この展示では、その他にも多くの資料を展示しておりますので、ぜひお越しください。

(自然課:鈴木)