本日、ついに企画展「日光の昆虫」が終わりを迎えます。
まだ見ていない、そこのあなた!
この展示を見れば、秋の日光をより楽しめるはずですよ!
今回は企画展「日光の昆虫」の中から、カメムシの仲間+αを紹介します。
まずはカメムシの仲間から紹介します。
といいつつ、セミが出てきました。セミも、れっきとしたカメムシの仲間なんです。
カメムシもセミも、口はストローのような形をしていて、それを植物や昆虫に突き刺して、汁を吸ってくらしています。
日光には、宇都宮などの平地でも見られるアブラゼミやヒグラシのほか、コエゾゼミやエゾゼミなど、山地を好むセミが多く生息しています。
このアカエゾゼミはエゾゼミによく似ていますが、ほとんど採れない、珍しい昆虫です。
もしも見つけられたら、かなりラッキーですよ!
このあと紹介するカメムシはニオイで仲間とコミュニケーションをとりますが、セミは鳴き声でコミュニケーションをとります。ちなみに、鳴くのはオスだけです。
次に紹介するのは、
ツノゼミです。名前に「セミ」と名前がついており、姿もセミに似ていますが、正確にはセミではなく、「ツノゼミ科」という別のグループの昆虫になります。体長も10mmほどと、セミの仲間ほど大きくありません。
横から見ると、背中にツノが生えていることが判ります。このツノが、名前の由来になっています。
こちらのクロテングスケバは、頭の先が天狗のようにトガっていて、面白い見た目をしています。さらに、どんな植物につくのかなど、そのくらしは謎に包まれているという、ロマンあふれる昆虫でもあります。
そして、企画展「日光の昆虫」で展示されている昆虫の中で、最も見づらいのが―
この、ハセガワグンバイです。
う~ん、とても小さいです。
拡大しても小さい...
とても小さく、白っぽいのでわかりにくいですね。
そこで、背景を黒くして見てみると―
おお、なかなかキレイでカッコイイ虫です。
ゴマ粒のように小さい昆虫でも拡大して見ると、とてもキレイであったり、複雑な形をしていたりと、面白い世界が広がっています。日光を散策する際には、虫眼鏡があると便利かもしれませんね。
次は、カメムシの仲間です。
奥日光でよく見られ、植物の汁を吸ってくらしているトゲカメムシや、
昆虫などを襲って、体液を吸うアオクチブトカメムシ、
アオクチブトカメムシにそっくりですが、植物の汁を吸ってくらしているツノアオカメムシ、
腹部のハサミが目立つ、ヒメハサミツノカメムシ(ツノがあるのはオスだけ)など、
それぞれ食性や、姿が異なっているところも魅力です。
これまで、トンボ、チョウ、バッタ、コウチュウ、ハチ、カメムシを紹介してきましたが、まだまだ、たくさんの昆虫たちがくらしています。
最後に、日光らしい昆虫を一つだけ紹介します。
それがこの、ガロアムシです。翅(はね)をもたず、涼しく湿った土の中でくらしています。
この昆虫、1915年8月26日、日光市中禅寺で採集された標本をもとに新種として発表された、まさに「THE日光の昆虫」なのです。
そしてなんと、今回展示されている標本は、この昆虫が初めて採集された年からちょうど100年後の、2015年8月28日に展示担当者、K原さんが採集されたもの!(本当は8月26日に採集しに行ったのですが、成虫が採れなかったことは秘密です...)
ご来館の際にはどうぞ、お見逃しなく!
(自然課:小田桐)
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