展示担当者の一人、O田桐です。今になってようやく出てきました。
秋が一層深まり、みかける昆虫はトンボやバッタ、スズメバチなど、限られた種類になってきました。
今回は企画展「日光の昆虫」の中から、ハチの仲間を紹介します。
一言にハチの仲間といっても、その姿かたちや、くらし方は十人十色。
実は、アリもハチの仲間なんです。
アルマンアナバチ(ハチ)
シワクシケアリ(アリ)
翅の有る無しはありますが、体のつくりがよく似ていることがわかりますね。
それでは、どんなハチが展示されているのか見ていきましょう。
深まる秋、ちまたで話題の黄色いアイツといえば...。
そう、みんな大好き、スズメバチの仲間です。
スズメバチといえば、このモンスズメバチのように黄色と黒のしま模様があるものが多いですが...
!?
こちらのチャイロスズメバチは、ほかのスズメバチとはまったく異なる色をしています。
このスズメバチの女王バチは、自分で巣をつくらず、モンスズメバチやキイロスズメバチの巣を襲って奪い、自分の巣として利用する変わった習性をもっています。
見た目もくらし方も変わっている、個性が光るスズメバチです。
ほかにも、いろいろなスズメバチを展示しています。
同じ種類のように見えますが、種類によって顔の模様がそれぞれ異なっています。
そして、企画展「日光の昆虫」で、一番の目玉バチがこのハチ。
エゾカギバラバチです。
エゾカギバラバチは、スズメバチの幼虫に卵を産みつけて寄生するハチなのですが、その卵がスズメバチの幼虫にたどり着くまでがとっても複雑!
ただ産みつけるのではなく、「偶然」に身をゆだねて世代をつなぐ、ハチ界のばくち打ちなのです。
その過程はこんな感じです。
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1. エゾカギバラバチのメスが、植物の葉などに小さい卵をたくさん産みつけます。
2. 卵が産みつけられた葉を、偶然チョウやガの幼虫が食べます。ここでエゾカギバラバチの卵はチョウやガの幼虫の体の中に入ります。卵はとても小さいので、かみ砕かれずに生きています。
3. さらに偶然、スズメバチの成虫がチョウやガの幼虫を狩り、肉団子にして巣に持って帰り、スズメバチの幼虫にエサとして与えます。→ゴール!
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こうして、ようやくエゾカギバラバチがスズメバチの幼虫に寄生します。
どうしてこんな生き方をしているのでしょうか。
生きものって本当に不思議ですね!
このほかにも、
産卵管が幼虫が目立つ!を食べるキバチや、そのキバチに寄生するオナガバチの仲間、
トドマツノキバチ
森が豊かな証拠!狩りバチの仲間、
ニッポンツチスガリ
花粉の運び屋!ハナバチの仲間、
オオマルハナバチ
...などなど、様々なハチを展示しています。
企画展「日光の昆虫」も残すところあと5日となりました。
日光地域の昆虫を一堂に見られる機会は、なかなかありませんよ!
ご来館、お待ちしています!
(自然課:小田桐)
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