現在開催中のテーマ展「私たちの生活と鉱物」の開催期間が、残すところあと1か月を切りました。展示の内容をピックアップしてご紹介するシリーズの第4回目は、「金属以外の鉱物」についてです。
これまでは鉄や銅などの金属についてご紹介してきましたが、今回は水晶やダイヤモンドといった金属ではない鉱物をご紹介します。
まずは水晶です。水晶は皆さんご存じの通り透明な鉱物です。鉱物名としては基本的には”石英”と呼ばれます。石英のうち、無色透明で結晶の形がはっきりとしたものを”水晶”と呼んでいます。
展示中の水晶です。
石英は主にガラスの材料として使われます。
また、水晶には電流を流すと決まった間隔で振動する、という性質があります。その性質を利用して、”水晶振動子”という時計の秒針を刻む部品に使われています。
時計の中身です。赤丸の部分が水晶振動子です。金属の筒の中に水晶が入っています。
続いては、ダイヤモンドやコランダム、ざくろ石といった硬い鉱物です。ちなみに、コランダムという鉱物は、赤色できれいなものはルビー、青色等できれいなものはサファイアとなります。
これらの硬い鉱物は、主に他の物を削る研磨剤として使われます。紙やすりや歯科治療用のドリルなどには、これらの鉱物が使われています。
ダイヤモンドの原石(上)と紙やすりの拡大写真(下)です。紙やすりには人工のざくろ石やコランダムが使われています。
栃木県で忘れてはいけない『私たちの生活』に関わるものとして、石灰岩・ドロマイトが挙げられます。石灰岩の主成分であるカルシウムの一部がマグネシウムに置き換わったものが、ドロマイトとなります。
栃木県内には多くの石灰岩・ドロマイト鉱山があり、盛んに採掘されています。特にドロマイトは、国内の80%以上の採掘量を誇ります。
展示中の石灰石とドロマイトです。
石灰岩やドロマイトは主にセメントやコンクリートの材料になっています。その他、公害防除用薬品や肥料などとしても利用されています。面白いところでは、なんとビスケットにドロマイトが使われていることもあります。ドロマイトはカルシウムとマグネシウムを含んでいるため、それらを摂取する目的で入れられています。
ドロマイトと、原材料にドロマイトを使用しているビスケットです。
『金属以外の鉱物』は、今回ご紹介したもの以外にもたくさん展示されていますので、ぜひご覧ください。
次回は「レアメタルと都市鉱山」のご紹介をします。
(自然課 小暮)
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