現在開催中のテーマ展「私たちの生活と鉱物」をピックアップしてご紹介するシリーズの第3回目は、「アルミニウム」についてです。
アルミニウムは、現在アルミ缶やアルミ箔など、日常の様々な場面で使われており、非常に身近なものとなっています。
また、アルミニウムは軽い金属ですので、飛行機や新幹線のボディに利用されています。
“私たちの身の回りの鉱物レポート2 ~銅とその利用~”のところで、1円玉以外の硬貨には銅が使われています、と紹介しましたが、その1円玉は純アルミニウムで作られています。
私たちの生活に深く馴染んでいるので、昔から使われていたような気がしますが、アルミニウムが初めて単体の金属として取り出されたのは1825年のことです。しかもこの時は生産するのに非常に大きなコストがかかったため、貴金属のような扱いを受けていました。
その後電気を使った分離法が発見されるなどして、アルミニウムを現在のように大量生産できるようになったのは、大量の電気を使えるようになった1900年代半ば以降のことです。
主要な金属が先史時代や、遅くても中世には利用されていたことを考えると、アルミニウムは非常に”新しい”金属であるといえます。
アルミホイル(上)と1円玉(下)です。身近なアルミニウム製品の代表格です。
さてアルミニウムの原料といえば、ボーキサイトである。とご存じの方もいらっしゃるかと思います。
展示中のボーキサイトです。
このボーキサイト、実は、一つの鉱物ではなく、いくつかのアルミニウム鉱物の混合物となっています。
アルミニウムの原料となるベーム石、ギブス石、ダイアスポアです。これらの鉱物がボーキサイトを作っています。
さて次回は、『金属以外の鉱物』についてご紹介いたします。
(自然課 小暮)
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