2014年12月11日
私たちの身の回りの鉱物レポート2 ~銅とその利用~
現在開催中のテーマ展『私たちの生活と鉱物』の内容をご紹介するこのシリーズ、2回目の今回は、『銅』についてです。
銅は人類が本格的に利用した最初の金属だと言われています。青銅器時代と呼ばれる、今から約5000年前から約3000年前の時代には、銅とスズの合金である「青銅」を使って様々な道具が作られていました。
銅の鉱石となる鉱物には、「黄銅鉱」や「斑銅鉱」、「輝銅鉱」などがあります。これらのうち特に黄銅鉱は最も重要な銅鉱石で、本県の足尾銅山でも大規模に採掘されていました。
足尾銅山産の黄銅鉱です。
さて、人類と古くから関わってきた銅ですが、もちろん現在でも様々な用途で使われています。
銅の性質の中で一番注目されているのは、電気伝導率(電気の流れやすさ)が高いということです。銀の次に電気伝導率が高く、銀よりもコストが低いことから、電線や電気コードなどにおいて、銅は大活躍しています。
電気コードです。 銅が使われています
銅といえば10円玉を思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は、現在発行されている1円玉以外の日本の硬貨は、全て銅の合金となっています。
10円玉。 銅とスズ、亜鉛の合金です。
また、銅には抗菌作用があるため、ヌメらない排水口受けなどの抗菌グッズにも利用されています。
銅製の排水口受け
このように、銅が意外と多くのところで利用されているのがお分かりになりましたでしょうか。
私たちの生活に大昔から密着してきた銅ですが、このままではあと30~40年ほどで枯渇してしまうと言われています。銅はリサイクルをした際、ほぼ100%リサイクルができる金属です。もしご家庭の銅製品が不要になりましたら、決められた方法でリサイクルをするよう努めてください。
次回は『アルミ』についてご紹介します。
(自然課 小暮)
投稿者 : 自然課 | カテゴリー : テーマ展