江戸時代の町人、私のイメージはというと、
大好きな時代劇「暴れん坊将軍」に出てくる町火消・め組の面々。
お祭りなどの楽しいことが大好きで、人情深く、そして仕事に誇りを持っている…
でもこれはあくまでも江戸のイメージ。ここ下野の町人はどのような生活をしていたのでしょうか。
テーマ展「近世下野の町人の生活と文化」では、下野国最大の都市であった宇都宮を中心に町人に関わる資料を展示しています。
展示室の様子です。
町火消の纏(まとい)を見つけました!
これは江戸時代のものではありませんが、宇都宮で昭和初期まで使用されていたものです。漢字の「一」の文字が書かれ、宇都宮では組分けが「いろは」ではなく、数字であったことがわかります。
江戸時代に宇都宮でも火消が活躍していたことは、記録によって知ることができます。纏のほかにも火消装束や鳶口(とびくち・火災の延焼を防ぐために家屋を破壊する道具)が展示されています。
こちらは『宇陽略記』(個人蔵)の二荒山神社の図です。
『宇陽略記』は文久4年(1864)の幕末期に作成された宇都宮町の地誌です。
二荒山神社の大きな鳥居の先には屋台が立ち並び、人々でにぎわう様子が描かれています。そして今も変わらない長い石段の先に本殿が見えています。
こちらも同じ『宇陽略記』から蓬莱町(ほうらいちょう)を描いた図です。蓬莱町は現在の西原地区に当たる場所です。画面右端に見えるのは火見梯子で、蓬莱町には三か所に設置されていたことが記されています。左側に見える二階建ての建物は茶屋でしょうか。道に沿って町屋が並んでいる様子がわかります。
このような町人たちの住む町屋は日光道中・奥州道中に沿った地域と二荒山神社の南側に集中していました。街道沿いや門前に集中した町の中では、江戸に負けない宇都宮の町人たちのにぎやかな生活が繰り広げられていたことでしょう。
テーマ展「近世下野の町人の生活と文化」は9月8日(日曜日)までの開催です。
町人たちの生活だけではなく、現代にも通じる、かつての宇都宮の姿を感じ取ることもできます。ぜひ会場に足を運んでみてください。
8月17日(土曜日)には講座をご用意しています。予約が必要となりますので、詳細はテーマ展特設ページで確認してくださいね♪
(人文課 瀬戸口)
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