足利尊氏展♪まんきつ♪ガイド④

みなさま、お待たせいたしました!国宝「宝積経要品」(前田育徳会蔵)の展示が始まりました!

「宝積経要品」は夢窓疎石、尊氏、直義による合筆の写経です。
書写は直義、夢想、尊氏の順で行われています。
その文字の違いは一目瞭然。それぞれ個性のある文字です。
尊氏のおおらかな文字、直義の緊張感のある文字、夢窓の安定感のある文字は、性格の違いをよく示していると言われています。

展示室の様子
写真は展示室の様子です。みなさま熱心にご覧になっています。

今回の展示ではこのほかに、尊氏・直義の母である、上杉清子の願文(文化庁蔵)も見ることができます。先日ご講演をいただいた峰岸純夫先生は、尊氏の文字は母・清子によく似ているとお話されていました。28日まで展示されていた尊氏の願文(常盤山文庫蔵)は本当によく似ていましたが(ちなみに図録では、清子の願文と尊氏の願文を上下に並べて掲載しているので比較しやすいと思います)、「宝積経要品」ではどうでしょうか。漢字と仮名文字では難しいかもしれませんが、じっくりと比較してみるのもおもしろいかもしれません。
そして、尊氏・直義自筆の文書はほかにも展示してありますので、それぞれを比較してみるのもいいですね。

「宝積経要品」の展示期間は10月30日(火曜日)から11月11日(日曜日)、
もうひとつの国宝、「清拙正澄墨蹟」は11月10日(土曜日)から会期最終日の11月25日(日曜日)です。
どちらも2週間という短い期間での展示となります。

!ここで朗報!明日11月3日(土曜日)の文化の日は無料入館日になります。尊氏展ももちろん無料です!この機会にぜひ国宝を含めた名宝の数々を観に来てくださいね♪

(人文課 瀬戸口)