2012年10月24日
長期休館中の博物館は何をしているのかな?
いつも大変お世話になっております。
崖っぷちレポーター、ティラノさんの相棒です。
という書き出しで始まる潜入レポートですが、今回は「長期休館中の博物館は何をやっているのか?」です。
皆さん、疑問に思っていらっしゃると思います、長期休館中は何をしているのだろうと…!!
実は長期休館を利用して研修を行ったり、遠方へ出張したりしているのです。
ちなみに、普及資料課では長期休館中は主に館外研修を行っております。
今年の6月の長期休館中は、スロープ展示を学ぶために白根山へ登山しました。
6月の白根山は、頂上付近にまだ雪が残っていました、ぶるぶる…
植物担当から説明を受けている様子です。
今回は自然課の学芸員と学芸嘱託員の協力を仰いでおります。
こうして、我が博物館の精鋭部隊である解説員は担当学芸員たちから知識を吸収し、日々の業務に生かしているのですね…!
私は高所恐怖症を克服することが出来ませんでしたが、彼女らの戦いをフィルムへ収めることに成功して大変嬉しく思います…(涙)
当館のスロープ展示の白根山のジオラマを見た方はいらっしゃるでしょうか。
花が咲き、鳥が気持ちよさそうに飛んでいるジオラマ、今では上のようになっています。
花どころか鳥も見られませんでした。
白根山の名前の元となったシラネアオイも今では限られた場所でしか見られることができず、群生地を復元するために、関係者の協力を得て電気柵の設置や苗の移植を行っているとのこと。
シラネアオイが咲き乱れる白根山を見ることができるのは、いつになることやら…
ちなみに、シラネアオイが減少した主な原因は、こちらです。
休憩中の我々の元に現れた、この可愛らしい鹿がシラネアオイを食べてしまうのです。
この鹿、かなり人懐っこい感じでしたので、もしかしたら登山者から餌をもらっているのでしょうか。
野生動物へ餌を与える行為は、自然の生態系を乱す原因の一つとなりますので、見かけても餌を与えてはいけませんよ。
(人間が猿に餌を与えたせいで、猿が人間を襲うということが問題視されています。奪われた餅の恨み、未だに覚えております。)
朝早くから登山し、夕方には下山したので、白根山にいたのは8時間ぐらいでしょうか。
山、いえ、自然界には、まだまだ我々も分からないことや知らないことがたくさんあります。
自然界の謎に直に触れている学芸員たちの気持ちがほんの少しだけ分かったような気もします。
さて、今回の研修から得た知識は、解説員が定時解説等で発揮しておりますので、定時解説のお知らせを御確認くださいませ。
投稿者 : 普及資料課 | カテゴリー : 普及教育活動記録