2012年08月28日
「土偶を作ろう(焼成)」が行われました
8月25日に「土偶を作ろう」の2日目が「うつのみや遺跡の広場」で開催されました。
今回は7月28日に皆さんに作っていただいた土偶の焼成を行います。
残暑が厳しい中、朝早くからお集まりいただき、ありがとうございました。
まずは“熾き”を作るため、薪を井桁状に組み上げて火を点けます。
次に、火を焚いてる周囲に土偶を並べ、火の温度に順応させます。
これを行わないで土偶を直接火の中に入れてしまうと、急激に熱せられ、土偶が割れてしまいます。
土偶を乾燥させている間、「うつのみや遺跡の広場」に併設されている資料館で、担当者から遺跡についての説明が行われました。
この遺跡は、正式名称が「根古谷台遺跡」と呼ばれ、宇都宮市の市営墓地(通称:聖山公園)の造成に伴い、昭和57年から数年間、発掘調査が行われた場所です。
その結果、複数の大型建物跡が環状に配置され、それらに囲まれた区域に墓坑(お墓)があるという、縄文時代前期の大集落跡が発見されました。
栃木県内で確認されている「明確な墓域」としては最も古い時期の事例で、大型建物跡の発見も含め、大変重要な遺跡であることから、昭和63年に国指定史跡となり、墓地の一部が史跡公園化されました。
公園化された遺跡内には、大型建物跡などが復元されています。
資料館も含め、無料で観覧できますので、ぜひ探訪してみてはいかがでしょうか。
さて、いよいよ土偶が手で触れないほど熱くなったところで、火の中に入れて焼く段階に入ります。
団扇などを使って、一気に火の勢いを強めます。
気温は35℃。火力も増して汗が噴き出します。
水分をこまめに補給して、熱中症にならないように細心の注意。
スイカの差し入れがありました。
あまりの暑さに、皆さん木蔭に避難です。
そしてついに、土偶が焼きあがりました。
中には残念ながら割れてしまった土偶もありましたが、概ね成功です。
最後に、焼き上がった土偶を前に、記念撮影をしました。
思い起こせば、土偶の成形段階を紹介したブログの中で、「焼成当日は、天候に恵まれますように…」と祈っていましたが、少々恵まれすぎて……
……とは身勝手ですね。
でも本当に暑かったです。
何はともあれ、無事終了して一安心。
参加された皆様、本当にお疲れ様でした!
(人文課 津野田)
投稿者 : 人文課 | カテゴリー : 考古部門活動記録