栃木県小山市、下野市、茨城県結城市およびその周辺で生産されている「結城紬(ゆうきつむぎ)」。
平成22年(2010)11月に、人類の無形文化遺産の代表的な一覧表(代表リスト)への
記載が決まりました。
これは、絹織物としては日本で初めて、また栃木県に関係するものとしても初めての記載です。
ただいま当館では、それを記念した特別企画「結城紬~伝統の技と美~」を開催しています。
今回は、開催初日に行なった「オープニング講座」と、「糸つむぎと機織り実演」について、
ご紹介します。
まず、オープニング講座は、担当学芸員が、結城紬の生産に関する技や
展示の見所などを紹介しました。
結城紬が無形文化遺産になり、とかく製品のみが注目されがちですが、
その生産工程を抜きにしては成り立ちません。
様々な工程のそれぞれが貴重な技であり、それによってこそ出来上がる美しい反物や着物なのです。
皆様には、ぜひ、こうした部分にも注目していただきたい、との願いを込めています。
当日は、あいにくの雪の中、結城紬の着物をお召しになったお客様も十数人見受けられました。
結城紬の生産に関わる方々は、
“結城紬は、着物を着てみて、やっと本当の良さが分かる”
とおっしゃいます。
結城紬の独特な風合い、軽さ、フィット感などといえば良いのでしょうか・・・。
そうした、結城紬らしさ、良さが、着物を着ることで実感できるようです。
もちろん私も感動しましたが、悪天候にめげず、足をお運びくださった他のお客様にとっても、
身近に結城紬を感じることができた、貴重な場ともなったことと思います。
結城紬ファンの皆様は、これを機会に自慢の着物をお召しになって当館にお出かけになり、
その良さを伝えてくださいませんか?
そして、当日は予定されてはいませんでしたが、
急遽、栃木県産業技術センター紬織物技術支援センターの職員の方々が、
「糸つむぎ」と「機織り」の実演をしてくださいました。
ごらんのように大好評でした!
あと2日間、実演を見たり、体験をしたりできる場を設けています。
結城紬に関することを見たり、やってみたり・・・なかなか機会がありませんよ!
どうぞ、当館においでになり、「結城紬~伝統の技と美~」を多方面から実感してください。
<伝統工芸士による糸つむぎと機織り実演(体験も可)>
日時 : 平成23年2月20日(日)・同年同月27日(日)
午前10時~正午・午後1時~3時
会場 : 企画展示室前ホール
※ 当日、会場に直接お集まりください。(要観覧料)
(人文課 宮田)
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