さて、民俗資料のデジタルコンテンツ化事業に関して、
なかなかご紹介できなかった「箕作り」(使い方)編です!
箕の作り方だけでなく、箕が実用品としてどのように利用されているか、
という点についても記録に残すため、箕を使った選別の様子を撮影させていただきました。
ご協力くださったのは、今回お世話になった箕の職人さんの作る箕を長く使い続けている方です。
撮影当日は、ご近所の方々が見学と応援に駆けつけてきてくださいました。
館外の方々と共に行なう事業は、私達の試みに興味を持ち、
意義を知っていただけるチャンスでもあります。
蕎麦、小豆、大豆の選別をしていただきました。
まずは、蕎麦の実ですが、選別後と比べるために、選別前の状態を撮影します。
蕎麦の場合、基本は、風が吹いてくる方向を背にして箕を振り上げて下ろす、という動作です。
この過程で、軽くて中身がつまっていない実は、
箕から舞い上がったと同時に風に吹かれて箕の外に飛ばされます。
小豆も同様に、剥(む)けてしまった皮などを飛ばします。
大豆は、少しずつ転がし落としながら選別します。
丸くて重い良い大豆は転がり出ていきます。
1粒ずつ転がり落ちる大豆を、一同、息をころして見守りました。
箕の使い方を撮影させてくださった方が、シモツカレや
畑で作った落花生などをふるまってくださいました。
とても美味しかったです。
思わぬ所でシモツカレの調査も少し、することができました。
ありがとうございました。
これまで、数回に分けて、民俗資料の映像化に関してご紹介してきましたが、
やはり動作について文章で説明するのは、長くなる上に難しいですね。
まずは私達が、「見れば分かる」という映像資料のメリットを感じています。
(調査・研究・撮影・編集という過程はかなり大変ですが・・・)
他の撮影項目も並行しているので、ゆっくりですが、編集も進んでいます。
これらがデジタルコンテンツとして形になり、皆様にお披露目できることが、私も楽しみです。
当館では他の分野でも、デジタルコンテンツ化に向けて、
それぞれに応じた試みを進めているところです。
そうした一端は、展示などでも随時ご紹介していますので、ぜひ、ご覧になってください。
(人文課 宮田)
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