2010年10月13日
紅葉の日光で地衣類を見る
10月9日に日光へ植物の調査へ行ってきました。3連休の初日でしたが、当日はあいにくの雨。さすがに人がまばらでした。
しかし、調査は中止になりません。
さあ、森のなかへレッツゴー!
ミズナラ林の中に黄色く色づいたアズキナシがたくさんありました。こんなきれいな色に紅葉するんですね。
ここは、小田代ヶ原です。一面の草紅葉でした。晴れていれば、もっときれいなグラデーションが見られたことでしょう。色の違いは植物の種類の違いのようです。
ミズナラも紅葉していました。鮮やかではありませんが、なかなか渋い色が魅力的です。
この日、紅葉以外に妙に目に付いたのが木の幹にくっついたこの丸い模様です。
みなさんの中にはこれを幹の模様や、コケだと思っている方もいるかもしれませんが、実はこの物体は地衣類(ちいるい)という生物なのです。
地衣類とは、おおざっぱに言うと、菌類と藻類が合体して共生している生きものです。藻類が光合成した栄養を菌類におすそ分けし、菌類は藻類に必要な水分を保持しているようです。見た目がとても似ている種類が多く、きちんと種類を見分けるのはとても難しい生物です。
この日は、たくさんの地衣類を見つけたので少しご紹介します。
この地衣類は、上の写真のものよりも細かくさけています。おそらく種類が違うのでしょう。
こちらは、先ほどのものと形がかなり違いますが、これも地衣類です。まるで、サンタクロースのヒゲのみたいですね。
こちらは色が褐色がかっています。
大きなミズナラの木の幹に地衣類がびっしりついていました。あまりに立派で見とれてしまいます。
これから、紅葉が終わると山は少しさびしい季節になってしまいますが、一見何もないように見える森にも見るものはたくさんあります。地衣類も一年中見ることができるので、これからの季節におすすめです。普段は注目しないものも、たまにはじっくり見てみてると何か新しい発見があるかもしれません。
(自然課:齊藤)
投稿者 : 自然課 | カテゴリー : 自然部門活動記録