丘陵地に残るブナをたずねて

 11月上旬に那須烏山市の中学生達とブナを探しに行きました。ここ3年ほど、
中学校と連携し、シモツケコウホネをテーマとした授業を行っていますが、今回は
その一環で那須烏山市内のブナを探しに行きました。行った場所は、南那須町自然
休養村という施設がある丘陵地の遊歩道です。
 
 ブナ自体は栃木県で珍しい木ではありません。しかし、ブナがはえる場所は
山地帯といわれ、栃木県ならばふつう標高が600~1500m位の涼しい場所です。
今回行った場所は標高がおよそ150mしかありません。実は栃木県内には、この
ような低地にブナが生育する場所が点々とあるのです。

 
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 当日はすっきりとした秋晴れで、丘陵地も紅葉が始まり秋の深まりを感じました。
 遊歩道はコナラやクリのはえる雑木林の中を抜け、丘を下っていきます。
道自体は急ではありませんが、道の両側は傾斜が80°もある場所もあり、かなり
急です。


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 この木はタカノツメと言いますが、トウガラシとは全く関係はありません。
白みを帯びた黄色い葉が目立ってきれいでした。


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 一緒に行った生徒がツルリンドウの実を発見しました。赤くてつやつやして
います。花もかわいいですが、実もきれいですねー。


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 ブナらしき木を発見。樹皮がすべすべしていて、ブナによく似ています。
 

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 葉っぱを確認すると…間違いなくブナです。


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 下にはブナの実も落ちていました。よく探すとブナの実生(木の小さなめばえ)も
1つだけ見つかりました。

 なぜ、本来はえているような涼しい場所ではなく、このような低地にブナがはえて
いるのでしょうか。実は、いまから何万年も前の地球が現在より寒かった時代のなご
りと考えられています。当時は、今より寒かったため、低地にもブナがたくさんあった
と思われます。しかし、徐々に気候が温暖になってきたため、ブナ林は衰退し、今は
かろうじてわずかなものだけが残ったと考えられています。

 この日は無事、ブナも見られましたが、他にも紅葉やドングリ、色々なキノコなどが
見られて大満足な一日でした。

 
                               (自然課:齊藤)