見のがさないで!今、ここでしか見られない植物たち②
世界で関東平野だけ!君の家にもいるかも?ケハタケゴケ
皆さんのすぐそばにも、実は珍しい植物がいるのです。今回は大変珍しいコケの紹介です。
今回紹介するのは、ケハタケゴケです。
ケハタケゴケを漢字で書くと「毛畑苔」となります。毛の生えた畑に生えるコケという意味です。その名の通り畑や水田周囲、庭などに生えるハタケゴケの仲間で、背面に毛の生えているコケです。ケハタケゴケは1943年に東京に生育することが報告されてから、東京都内での生育が何度か報告されていましたが、近年の報告はなかった日本特産種です。
今回展示したケハタケゴケの標本は栃木県佐野市のお寺の境内で発見されたものです。東京での発見からおよそ60年ぶりの標本です。ケハタケゴケの標本を収蔵しているのは栃木県立博物館を含めて3館だけと思われます。また、現在生育が確認されているのは栃木県と茨城県だけです。とても貴重な標本ですので、ぜひご覧いただければと思います。
ただし、ハタケゴケ類は乾燥すると背中側に折れ曲がって土まみれの標本になってしまいます。展示の標本も土まみれですが、写真を添えてありますので、そちらを良くご覧ください。
(自然課 富永)
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