3回目の今回は、3日目(3/21)と4日目(3/22)の紹介です(もっとも、4日目は帰るだけですが)。
第3日目 ==(水原華城・韓国民俗村・仁寺洞・崔先生)===========
6:30 起床
7:35 ホテルを出発し、地下鉄「緑莎坪」から「三角地」乗り換え「ソウル駅」へ
8:05 特急ムグンファ号水原行の切符を、窓口で購入(3,200ウォン)
8:45 ソウル駅出発
・隣のホームにKTX(韓国新幹線)が並ぶ。日本では軌道の幅の関係で在来線と新幹線は
別路線だが、韓国は同じなのでこのような風景になる。ホームは低く、大陸的。
停車中のムグンファ号
写真のように、列車内へはステップを上って入るようになる。時間がなくて先頭車両が撮れなかった。
9:25 水原駅着、駅舎北に隣接する観光案内所へ向かう
・民俗村行き無料バスが10:30のため、タクシーに変更。水原サッカー場の隣を通過し、世
界遺産水原華城へ。華西門を見学し、記念撮影。アーチを描く燻し煉瓦の造形が、青い空に
映えて美ししい。
水原華城は、李朝第22代正祖王が漢城(ソウル)からの遷都を計画して築いた城。1794
年から96年にかけて建設されたが、完成後1800年に王が亡くなったため、遷都は実現しな
かった。華城は周囲約5.7㎞の城壁と東西南北の大門などの施設から成っている。1975年
から79年に復原が行われ、1997年に世界遺産に登録された。
水原華城華西門
4つの大門のひとつ。保存状態が良好で、宝物第403号に指定されている。門の前にある半円形の塀は、甕城という防御施設。城壁の上には西を示す白い旗がたっている。
華西門から続く城壁
南を望んだところ。甕城の形状がよくわかる。写真にみえるように、現在の道路は城壁をくぐり抜けるようになっているが、本来は当然門を通っていたわけである。
西北空心墩
華西門のすぐ北にある戦時の見張り台。銃眼があけられている。
10:30 約20分で韓国民俗村へ到着(水原からタクシーで25,000ウォン)
・韓国民俗村は、李朝時代後期(日本では江戸時代あたりに相当)の生活様式を再現した
テーマパークで、1974年にオープンした。敷地内には各地方の伝統家屋が移築され、職員
が当時の服装をして実際に生活している(夜は自宅へ帰るのだろうが)。
昨日の扶余では、恐らく一人の日本人も見かけていない。しかし、この民俗村では周りで
日本語が飛び交っている。団体客が何組も来ているようだ。水原華城と民俗村はドラマ「チ
ャングムの誓い」の撮影場所となっていたためらしい。ある建物の中庭にはチャングムの等
身大の写真パネルがあり、多くの人が記念撮影していた。
各建物を巡り、民俗芸能などを見学。
南部地方の小農家
藁で何かを編んでいる。右端にかまどの煙突が見える。
農家の軒先
干してあるのは、トウガラシ・トウモロコシ・ヒエ・アワなど。ひょうたんが干してあるのも韓国らしい。
糸紡ぎ
手前で繭を煮て、奥の人が撚りをかけて絹糸にしている。機織りをしている家もあるはずだが、この日は見あたらなかった。
農楽
十数人のグループで演じられる。楽器(太鼓など)担当と、踊り手に分かれていて、踊り手の帽子には長いテープが付いている。踊りのハイライトでは、写真のようにテープを頭の周囲でくるくる回しながら自分自身も飛び上がって回転するという、なかなか真似のできないパフォーマンスを披露する。演じ手はみんな若く、高校生くらいにしか見えない子もいる。
板飛び
正月に行われる女性の遊びで、シーソー状の板の上に乗り、交互に勢いよくジャンプする。3メートルくらい飛び上がり、手に持った輪をくぐったりすることもある。当時の女性は、家から外に出ることがなかなか許されず、この遊びをすることで塀の上から外の様子を見て楽しんだのだそうである。
綱渡り
綱の上をただ渡るだけでなく、綱の上であぐらをかいてジャンプするなど様々な技を披露する。綱を渡る合間には、面白い話をしているらしく、言葉がわかる客に受けていた。重要無形文化財第58号に指定されている。
トトリムック
茶色い豆腐みたいなものがそれ。実際には最後の「ク」は非常に弱く発音されるため「トトリムッ」と聞こえる。「トトリ」とはドングリのことで、ドングリの粉を煮て寒天のようにしたもの。現在の日本では、ドングリ類はほとんど食べられることのない食材だが、韓国ではこのような形で普通に食べられている。民俗村の食堂で注文(6,000ウォン)。
14:05 無料バスに乗車し、水原駅に戻る
15:06 帰りは特急のセマウル号に乗車(7,500ウォン)
・15:38分にソウル駅着、地下鉄で「仁寺洞」へ向い、現代磁器を購入。
18:05 タクシーで梨泰院のクラウンホテルに戻る
18:15 崇実大学校韓国基督教博物館学芸課長の崔恩珠先生が到着
・自己紹介後、喫茶室で談笑。日本語・韓国語・英語の「ごった煮」会話で何とか意思疎通。
崔先生のいる博物館は、韓国のキリスト教史・崇実大学校の歴史・韓国の近代化と民族
運動の歴史・考古美術資料の4つの展示室がある。考古関連では国宝に指定されている
多紐細文鏡(第141号)や青銅器の鋳型(第231号)をはじめ、有名な岩寺洞遺跡出土の遺
物などを所蔵している。今回は日程の都合でかなわなったが、ぜひ訪れてみたい博物館で
ある。
19:30 タクシーで明洞へ移動
・食事をとりながら韓国の玉製作遺跡の近況などについて意見交換。さまざまな話題で盛り
上がる。話に夢中になりすぎて写真を撮るのを忘れてしまった。残念。
22:00 崔先生と別れた後、梨泰院へ
・韓国最後の夜の反省会。屋台のアジュマ(おばさん)とささやかな日韓交流。
第4日目 ==(帰国)==========================
5:50 起床し、帰国準備
・格安チケットはこれが辛い。
6:40 ホテルをチェックアウトし、送迎のマイクロバスに乗って出発
7:30 ソウル国際空港(仁川)到着
・朝食、土産品購入、出国手続き。
9:45 大韓航空(KE701便)に乗機、離陸
11:40 東京国際空港(成田)到着
・入国審査・通関し、5Fスカイラウンジで昼食。
13:15 マロニエ号に乗車
・途中、東京手前で渋滞するも、大半が居眠り
16:05 JR宇都宮駅前、無事到着
・バスを降りると何となく鼻がムズムズする。忘れかけていた花粉症が・・・・
以上、番外編と題して、3回にわたり研修の模様を紹介してきました。短い日程でしたが、充実した内容でした。海外の文化・生活・人々と触れあうことは、とても刺激になります。第1回目の冒頭にも書きましたが、今後の博物館活動を考えるうえで非常に有益な研修となりました。(考古部門:上野・森嶋)
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