栃木県立博物館では現在、企画展「甲殻類ワールド~エビ、カニ、フジツボ、ダンゴムシ、ミジンコ&カブトエビ~」を開催中です。みなさん、もうご覧になりましたか?
企画展の関連イベントとして、5月21日(日)に茨城県ひたちなか市で「磯の観察会~甲殻類の進化を探る~」を開催しました。

磯で参加者のみなさんが一生懸命生き物を探しています。

潮だまりにはいろいろな生き物が生息しています。

参加者の方々がみつけた生き物を集め、学芸員が解説をしました。写真はショウジョウガニです。大きくて立派ですね。
カニのほかにも、エビやヤドカリなどの十脚目、フナムシやヘラムシなどの等脚目、ヨコエビやワレカラなどの端脚目、フジツボやフクロムシなどの顎脚綱など、さまざまな甲殻類を見つけることができました。
みなさんも、生き物を探しに磯に出かけてみてはいかがですか?
企画展「甲殻類ワールド~エビ、カニ、フジツボ、ダンゴムシ、ミジンコ & カブトエビ~」は6月18日(日)まで開催しています。
また、6月10日(土)14:00~15:00に南谷学芸員による展示解説、6月18日(日)13:30~15:00講堂にて学芸員とっておき講座「甲殻類っておもしろい!~エビ、カニ、ダンゴムシ、ホウネンエビ~」を開催しますので、ぜひご参加ください。お待ちしています。
5月14日(日)に南谷学芸員による展示解説を行いました。
小さなお子さんからご年配の方まで、計33名が参加しました。

「甲殻類って何?」から始まり、子供たちに質問しながら解説を進めていきました。
「卵をお腹に抱くエビと抱かないエビだとお腹の形が違う」とか「カニのはさみの形は、種類によって違う」など、展示を見るにあたってのポイントを紹介しました。
見どころの一つとして、タカアシガニの標本があります。タカアシガニはカニ最大だけでなく、節足動物としても最大です。脚を広げた幅(脚に沿って測定)が最大で3.7mの記録があるとのことですが、現在展示されているものは3.35mあり、しかも傷がほとんどないため、非常に珍しいものだそうです。

ダンゴムシの解説では、イリドウィルスというウィルスに感染した結果、きれいに青くなったダンゴムシの話をすると、子供たち間から「見たことある」との声が上がりました。「青いダンゴムシ、探しているので、見つけたらぜひ持ってきてね」と南谷学芸員。
最後にちょっとした実験をしました。ウミホタルの乾燥したものを水を少し加えてすり潰すと、青い光が。参加者の間からは「おお~」との声があがりました。

企画展「甲殻類ワールド~エビ、カニ、フジツボ、ダンゴムシ、ミジンコ & カブトエビ~」は6月18日(日)まで開催しています。また、6月10日(土)14:00~15:00に南谷学芸員による展示解説、6月18日(日)13:30~15:00講堂にて学芸員とっておき講座「甲殻類っておもしろい!~エビ、カニ、ダンゴムシ、ホウネンエビ~」を開催しますので、ぜひご参加ください。お待ちしてます。
(自然課 三宅)
昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」全国巡回展に続き、今年も当館エントランスにて、2023年5月27日(土曜日)~6月2日(金曜日)大河ドラマ「どうする家康」全国巡回展を開催します。
番組紹介パネル、衣装(レプリカ)、PR映像や出演者サインなどを展示します。この機会にぜひご来場いただき、ドラマの世界観をお楽しみください。
大河ドラマ「どうする家康」全国巡回展 (入場無料) | 関連情報 | 大河ドラマ「どうする家康」 - NHK
令和5年5月6日(土)、栃木県中央公園にてナスヒオウギアヤメ鑑賞会を開催しました。
例年よりも二週間ほど早い開花でゴールデンウィーク期間の開催となりましたが、午前午後二回で54名の方々が参加しました。
当日は薄曇りの天気でしたが(気温は高かったです)、星学芸員曰く、「アヤメを鑑賞するには曇りか少し雨がぱらつく位のほうが色が鮮やかに見えていい」とのこと。
まず中村副館長が、次に中央公園管理事務所の菊池所長の挨拶から始まり、星学芸員がナスヒオウギアヤメをアヤメと比較しながら解説しました。
ナスヒオウギアヤメは昭和37年に宮内庁の職員が発見して、昭和天皇が研究して名付けられました。現在、栃木県・環境省の絶滅危惧品種に指定されています。
アヤメとの違いは、花びらにあたる内花被片が約2cmと小さく目立たないところが大きな特徴です。

ナスヒオウギアヤメ

アヤメ
アヤメの名前の由来、ナスヒオウギアヤメの近縁種の説明などの盛りだくさんの解説を、参加者の皆さんは配布資料を見ながら聞き入っていました。
細かいところを説明するために植木鉢に植えてあるアヤメとナスヒオウギアヤメの周りに集まってもらい、星学芸員は質問を受けながら丁寧に説明していました。

鑑賞の後は、昨年に引き続き中村副館長と有志にお茶とお菓子が振る舞われ、皆さん喉を潤していました。

今年もナスヒオウギアヤメ鑑賞会、楽しんでいただけましたでしょうか。
(自然課 三宅)
こんにちは。新緑が美しい季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。
端午の節句のこの日、当館では博物館でやってみよう「麻布で文香をつくろう」を行いました。
麻布が栃木県の名産品である事にちなんで、麻布を使って、ちょっとした匂い袋を作る体験です。

3種類のエッセンシャルオイルを染み込ませたチップから、1つの香りを選んでいただき、様々な麻布から2枚選んで、作業していただきました。

1枚の麻布の枠にのりを塗って、真ん中に香りが付いたチップを置きます。
もう1枚の麻布をかぶせ、強く押し付けたら完成です。

簡単にできました!
後は袋に入れて持ち帰りです。
120人の方にご参加いただけました。ありがとうございました!
次回の博物館でやってみようは「カニのペーパースタンドをつくろう」です。
5月28日の開催です。ぜひ、お越しください。
教育広報課解説員
こんにちは。気持ちの良い季節となりましたね。
中央公園の新緑がとてもあざやかです。
4月30日に博物館でやってみよう!「昔の布でシジミ貝根付をつくろう」を行いました。
当日の様子を紹介します。
今ではめずらしい、昔の着物の布でくるまれたシジミ貝を準備しました。

みんなそれぞれ好きな柄を選んで、作業開始!

貝の内側にボンドをたっぷり塗って
ひもをはさんで、貝を閉じた形にはり合わせます。

シンプルな作業なので小さなお子さんでも大丈夫!
みんな真剣に張り合わせています。

貝の重みと形がちょうどよい、 ステキな根付ができました!
今日の思い出に、みんな大切に持ち帰りました。
参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
次の博物館でやってみよう!は、 5月5日(金)「麻布で文香づくり」です。
予約は不要です。みなさまのお越しをお待ちしております。
教育広報課 解説員
ゴールデンウィークに入りましたね。
ぜひ、連休中のお出かけ予定に入れていただきたいのが、本日29日オープンの企画展「甲殻類ワールド」です。

展示オープンにあわせて、担当学芸員が展示解説を行いました。奥に見える大きなカニははさみ脚に沿って測った幅が3.4mもあるタカアシガニの標本です。

迫力ある大きなエビ・カニ大集合!
エビ、カニはもちろん、身近な生き物であるダンゴムシや小さなミジンコ、そしてなんとフジツボも甲殻類のなかまです。企画展「甲殻類ワールド」では、こうしたいろいろな甲殻類を展示し、さらには食や文化を通した甲殻類と人間のかかわりまであつかっています。盛りだくさんの内容ですので、ぜひ連休中に博物館にお越しください!
企画展「甲殻類ワールド~エビ、カニ、フジツボ、ダンゴムシ、ミジンコ&カブトエビ~」
開催期間 2023年4月29日(土曜日)~2023年6月18日(日曜日)
関連行事
※担当学芸員による展示解説 5月14日(日)、6月10日(土)14:00~15:00
※学芸員とっておき講座 「甲殻類っておもしろい!~エビ、カニ、ダンゴムシ、ホウネンエビ~」6月18日(日)13:30~15:00 講堂
4/16(日)に学芸員とっておき講座「地下生菌ってなんだろう?~トリュフとその仲間の秘密~」を開催し、26名の参加者が集まりました。

担当は山本学芸員。「そもそも、キノコとは?」「世界中でキノコは約2万種、そのうち地中に生えるキノコは千数百種」という導入から始まり、「地中に生えるキノコ、すなわち地下生菌とはどんなキノコ?」の説明から本題に入ります。
地上に生えるキノコは、大きく担子菌類と子のう菌類に分けられます。どちらも胞子をばらまいて、ふえます。ではこれらのキノコと地下生菌はどんな関係があるのでしょうか?
実は地下生菌は地上に生えるキノコに近縁であることが分かっているのです。


「トリュフは地下生菌の仲間」「地下生菌の多くは地上のキノコから進化してきた」「さまざまな動物が地下生菌を食べることで、胞子が運ばれる」などなど、地下生菌の面白さを山本学芸員が分かり易く解説してくれた講座でした。
地下生菌に興味をもたれた方、もっと地下生菌について知りたい方、現在テーマ展「地中に生えるキノコ~トリュフとその仲間の秘密~」を6/18(日)まで開催しています。展示解説は4/22(土)、5/27(土)14:00~15:00に行います。種類の地下生菌の標本を展示していますので、ぜひ足を運んで実際に見てみてください。
(自然課 三宅)
4/16(日)に学芸員とっておき講座「地下生菌ってなんだろう?~トリュフとその仲間の秘密~」を開催し、26名の参加者が集まりました
4月15日(土)に予定されていた観察会「スミレをさがそう!」は、あいにくの雨で中止となりました。仕方がないことですが、やはり残念...
予定していた観察会はこんな感じ。
集合場所の駐車場で、アスファルトの割れ目や車止めの影のワカシュウスミレやコスミレ(葉のみ)の観察からスタート。
多気山不動尊の山門まで、道路わきの斜面を観察。

タチツボスミレがたくさん咲いています。
ここで、タチツボスミレの薄い紫色の花、横に長いハート形の葉を覚えましょう。

↑タチツボスミレ
タチツボスミレに目が慣れてくると、「少し花が白いかな?」と白花のタチツボスミレ「オトメスミレ」が見つかります。
ほかにも、花のおわったアオイスミレやエイザンスミレの葉、ニョイスミレ、ウラシマソウ、ニリンソウ、ムラサキケマン、キランソウなどいろいろ見ることができたことでしょう。

山中に入りました。足元を見ながら歩いていると落ち葉やシダ、チゴユリに交じってフモトスミレやマキノスミレが見つかります。花が小さいので、見逃さないように。
御殿平とよばれる多気山山頂近くの広場。筑波山やスカイツリーも見えることがある展望広場です。

ここでは、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、マルバタチツボスミレを見比べます。
ニオイタチツボスミレ

覚えてきたタチツボスミレと比べてどうですか?花の色が濃くて、花弁に丸みがあります。葉は縦長で葉先は尖りません。その名のとおり良い香りがします。
こちらはマルバタチツボスミレ。

タチツボスミレとニオイタチツボスミレの雑種です。花の色はタチツボスミレ似ですが、花弁は丸みがあってニオイタチツボスミレ似。
やっとタチツボスミレとニオイタチツボスミレを覚えたところで雑種。混乱してきますね。
個体差も大きくて、花の色には幅があって見分けの決め手にはなりませんし、「花柄に毛がないものが典型とされるが、毛のあるものも多い」なんて説明もあったりして、初心者を翻弄します。
これが自然の面白いところ!図鑑と見比べては、「あーでもない、こーでもない」とスミレの世界を楽しんでいただく予定でした。
博物館で予定されている次の観察会は、磯の観察会です。キャンセル待ちも出ている人気の観察会、天候に恵まれますように!
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現在、開催中!
テーマ展「地中に生えるキノコ~トリュフとその仲間たち~」
テーマ展「栃木県版レッドリストが新しくなりました!~絶滅のおそれのある生きものと地形・地質~」
4月29日(土)から始まります!
企画展「甲殻類ワールド~エビ、カニ、フジツボ、ダンゴムシ、ミジンコ&カブトエビ~」
テーマ展「みやびなる和様の美」
みなさまのご来館をお待ちしております。 (自然課 猪狩)
皆さん、こんにちは。四月も半ばに入り、新生活にもなれてゴールデンウイークが待ち遠しいこの頃となりました。
中央公園も若葉がみずみずしく成長して、動物たちも活発に活動するようになりました。
博物館では4月16日の県博デーにキッズツアー「動物のちえと私たちの生活」を行いました。
その様子を少し紹介します。
自然のとびらをたたいてみると幸せで快適な未来をつくるためのヒントをたくさん見つけることができます。
生き物たちを先生にして私たちの生活がどのように便利になってきたかをいくつか展示をとおしてご紹介してみました。


日光白根山頂を飛ぶハリオアマツバメ。実は鳥の中で平均速度が一番速い鳥で時速170キロくらいで飛びます。速さの秘密はカマのような羽にあります。
この形をドライヤーの羽に応用したらよりたくさんの風を送れるようになりました。

ホタルは光りながら飛びますが触っても熱くありません。体の中の体液の化学反応で光ります。他にもホタルイカやオワンクラゲなども紹介しました。

オワンクラゲの光る物質を見つけた下村脩(しもむらおさむ)先生は2008年にノーベル化学賞を受賞しました。非常用のケミカルライトをつけて見てもらいました。

インターネットを世界中でつなぐ光ファイバーは高熱で作るのでとてもお金がかかります。しかしカイロウドウケツという海底のカイメンの仲間は冷たい水の中で同じものを作ります。
仕組みが分かればもっと安く作れるはずで研究が行われています。本物をみんなにさわってもらいました。いがいとかたいのにびっくりしたかな。



時速300キロ近いスピードの新幹線500系は先頭やパンタグラフの形をカワセミのくちばしやフクロウの羽から応用して騒音を無くしました。
模型でその様子を見てもらいました。
いかがでしたか。動物たちのちえが私たちの生活にどれだけ役に立っているかすこしでもお分かりになれたら幸いです。
自然を観察して必要なのは「不思議だな」、「なぜだろう」と思う気持ちです。
みなさんもエネルギーを使いすぎず、環境をこわさずに新しい技術や物を作りだす手がかりを探してみましょう。
次回のキッズツアー「甲殻類(こうかくるい)の話」は、5月21日の県博デーに行います。エビやカニの楽しいお話が聞けます。
予約は不要で14時開始です。皆様のおこしをお待ちしております。
教育広報課 解説員 相子