【高齢者の方へ】博物館を無料開放します

「老人週間」の期間中、県立文化施設の観覧料が無料になります。

栃木県立博物館も無料開放となりますので、この機会にぜひお出かけください。

期間:平成30(2018)年9月15日(土曜日)から21日(金曜日)まで

対象:県内在住の満65歳以上の方

期間中の休館日:9月18日(火曜日)

詳しくは、チラシをご覧ください。(栃木県高齢対策課のページにジャンプします)

http://www.pref.tochigi.lg.jp/e03/kouhou/documents/muryoukaihou30.pdf

夏休みも終わり、秋の深まりもまだ少し先、谷間のこの時期は何か物足りない......

そんなあなたにぴったりの展示が始まりました!

 

゚・*:.. 美術工芸部門テーマ展「小泉斐の世界―鮎と風景と人物―」 ..:*・゚

    開催期間:98日(土曜日)~108日(月曜日)

小泉斐の魅力を<鮎>と<風景>と<人物>に分けてご紹介。

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なんと!

展示作品全20点のうち、県指定文化財が1初公開作品が8!!

すごい!すごいぞ~!!

 

でも、もしかして。

 

小泉斐なんて知らない!名前が読めない!!

そんな方のために、プロフィールをご紹介いたしましょう。

 *名前:小泉斐【こいずみ・あやる】 (男です!)

 *生没年:17701854年 (江戸時代後期の人です!)

 *出身地:下野国芳賀郡益子 (益子焼だけじゃないんです!)

 *職業:神官、絵師 (神職の家の子です!)

 *仕えた人:黒羽藩主大関増業・増儀 (増業から黒羽の鎮守社を与えられました!)

 *師匠:島﨑雲圃 (近江と下野を行き来していた近江商人です!)

 *弟子:田谷芝斎、立原杏所、島崎玉淵 など (いっぱいいました!)

 *得意な絵:鮎 (斐=鮎図は常識です!)

 *その他描くもの:人物、風景、花鳥、仏 など (いろいろ描いてます!)

 *絵画ジャンル:文人画風、やまと絵風、南蘋風、油絵 など (いろいろ挑戦してます!)

 

つまり、下野出身で、いろいろ描いているけど鮎図が得意の江戸時代の画人です。

すでに知っていたよ、という方も、大丈夫!アキさせません!!

今回の展示は、近年の研究の最新報告でもあるのです!!!

 

ポイントは2つ。

 

①新発見!「孔明論将図額」と「縮図帖」

いずれも近年見出された作品ですが、手控え帖である「縮図帖」に書かれた内容から「孔明論将図額」の制作背景が判明しました。

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・現在確認される唯一の黒羽城本丸御寝所の調度品!!

・歌川広重や葛飾北斎も愛用した最新絵具「ベロ藍」(=プルシアンブルー)を使用!!

・当時、日本最先端技術・油絵に挑戦!!

 

②知られざる斐の弟子・田谷芝斎【たや・しさい】

画業がほとんど知られていない、知る人ぞ知る田谷芝斎。新たに発見された5点が初公開されます!!

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・芝斎作品イチオシ!「天岩戸図」

ゲゲゲ...、濃ゆくて、こまかくて、きもちわる~い!!

毛の一本一本、シワの一本一本、ワラジの一目一目まで、とことん描きます!

斐とはまた違った摩訶不思議な世界ご堪能ください。

 

全国知名度上昇中!?(県内知名度?)の小泉斐と、まったく知られざる謎の絵師・田谷芝斎ですが、もてはやされる時代がこれから来ます!絶対来ます!!

一度見たら忘れられない作品の数々が、あなたをお待ちしております。

 

*関連行事*

展示室にて担当学芸員による展示解説を行います。 こちらもぜひお出かけください!

 平成30915日(土曜日)1400分~1500

 

↓ 「小泉斐の世界―鮎と風景と人物―」ホームページ 

http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/thema/2018ayaru/ayaru.html

(人文課 久野)

8月26日に、開催中のレッドデータブック展の記念講演会が行われました。「消えゆく生物からのメッセージ ~菌類(きのこ・カビ・酵母)を例に~」と題して、国立科学博物館の細矢 剛先生(植物研究部グループ長)にお話しいただきました。

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酵母はふつう目に見えませんが、きのこやカビもまた、見えているのは体のほんの一部に過ぎません。きのこやカビの本体は、地中などに張り巡らされた、目に見えない「菌糸」なのです。写真のきのこは落ち葉を分解するきのこですが、きのこの下には菌糸が白く広がっている様子がわかります。

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目に見えないため見過ごされがちな菌類ですが、自然界で生きている菌類の多様性のバランスが崩れると思いもよらない事態に陥る危険性を孕んでいます。細矢先生は、「植物の成長を助ける菌類(菌根菌)は、一種類よりも何種類もあるときにより効果を発揮する」といった具体例を示しながら、目に見えない菌類の多様性の大切さを話されました。

そんな菌類ですが、本体が肉眼で見えないため、動植物のように個体数を数えてどれくらい減っているか評価することはとても難しいのです。そこで、「きのこ」といった肉眼で見える部分の発生情報を集め、増減の傾向を調べます。より正確なデータをとるために標本を長い年月に渡りたくさん集めねばなりませんが、菌類研究者は非常に少なく、集められるデータには限りがあります。そこで、それぞれの博物館などがもっている情報の統合データベースを活用しています。細矢先生は、代表例として地球規模生物多様性情報機構(GBIF)やサイエンスミュージアムネット(S-Net)を紹介されました。そして、忘れてはならないのが市民科学者の方々との連携です。「レッドデータブックとちぎ2018」にリストアップされた45種の菌類にも、県民の方々が採集された種類が多数含まれています。

今回のご講演のタイトルには「菌類」とありますが、内容は生物全般に通ずる多様性の意義を振り返り、減少する生物を評価する過程、そして生物多様性情報を共有するすべを知る、またとない機会になりました。細矢先生、ありがとうございました。

(自然課 山本)

825日、塩谷町熊ノ木でくさむらの昆虫を探しました。メンバーは小学生4人と大人6人。

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9時前に少し雨が降りましたが、観察会が始まると雨はぱったりとやみ、たくさんのアカトンボがお出むかえ。みんなにアカトンボは何種類もいるのだと伝え、さっそく採ります。いくつ見つかるかな?

なれてくれば、1年生でもすぐにトンボをゲット!

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ほとんどは、アキアカネ。でも、はねの先が茶色のノシメトンボや、アキアカネよりちょっと小さいナツアカネ、はねの先から少し内側が茶色いミヤマアカネ、

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そして、顔にまゆ毛のような黒いもようのあるマユタテアカネと、5種類も見つかりました。

セミは木の高いところや遠くの林で鳴いていましたが、採ることができませんでした。でも、鳴き声からエゾゼミもいることがわかりました。


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ベニシジミやイチモンジセセリ、オオカマキリ、ショウリョウバッタなど、くさむらでおなじみの昆虫もたくさん見つかりました。

みんなで力を合わせ、30種類以上の昆虫を確認できました。

エゾゼミやアオフキバッタなど、博物館の周りにはいない昆虫も見つかり、塩谷町の自然の豊かさをあらためて感じました。

本日参加してくださったみなさん、今後も家や学校で昆虫を探してみてください。

(自然課 栗原)


9月のミュージアムツアーのご案内

◆9月のミュージアムツアーについてお知らせいたします。

 ミュージアムツアーは13時30分から開催しております。

 土曜日、日曜日(第3日曜日を除く)、祝日のみの開催です。

 1日(土曜日)     企画展 「レッドデータブックとちぎ2018」

 2日(日曜日)     スロープ展示

 8日(土曜日)     テーマ展 「小泉斐の世界-鮎と風景と人物-」

 9日(日曜日)     企画展 「レッドデータブックとちぎ2018」

 15日(土曜日)     テーマ展 「栃木の平野の暮らし-稲作-」

(※15日は14時より担当学芸員によるテーマ展「小泉斐の世界-鮎と風景と人物-」の展示解説もございます。)

 16日(日曜日)     キッズ・ツアー 「今昔コケ物語」

(※16日は14時より担当学芸員によるテーマ展「栃木の平野の暮らし-稲作-」の展示解説もございます。)

 17日(月曜日・祝日)  テーマ展 「小泉斐の世界-鮎と風景と人物-」

(※17日は14時より担当学芸員による 企画展「レッドデータブックとちぎ2018」の展示解説もございます。)

 22日(土曜日)     企画展 「レッドデータブックとちぎ2018」

 23日(日曜日)     テーマ展 「栃木の平野の暮らし-稲作-」
 
 24日(月曜日・祝日)  テーマ展 「小泉斐の世界-鮎と風景と人物-」

 29日(土曜日)     ロビー展示 「動物」
 
 30日(日曜日)     テーマ展 「栃木の平野の暮らし-稲作-」
 
 
 
 
テーマ展約20分、企画展約40分、ロビー展示約15分、
 
キッズ・ツアーは約30分程度を予定しております。   

キッズ・ツアーとは...

通常のミュージアムツアーとは異なり、お子様向けに毎回内容をかえて解説を行います。

解説場所については、当日の館内の掲示板にてお知らせいたします。


9月開催予定のテーマ展の展示期間につきましては、以下のとおりです。

・テーマ展 「小泉斐の世界-鮎と風景と人物-」 9月8日(土曜日)~10月8日(月曜日)

・テーマ展 「栃木の平野の暮らし-稲作-」 9月8日(土曜日)~10月8日(月曜日)


皆様のお越しを心よりお待ちしております。

みなさんこんにちは!夏休みはいかがお過ごしですか。

楽しい夏休みもあっという間に半分以上過ぎてしまいました。みなさん宿題の追い込みで大忙しではないでしょうか。

先日、そんな忙しいみなさんを応援するため、博物館では小学生の夏休み宿題応援企画「博物館レポートをつくろう」を行いました!

博物館で色々なものを見て感動したものやわかったことを紙にまとめて、自分だけの博物館レポートを作ってみよう!

みなさんがこの講座を通し、宿題のヒントを見つけることができたらとてもうれしく思います。


最初にレポートのつくりかたについておはなししました。

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大きなレポートの見本を見ていただきました。

自分が見学して分かったことを大きくまとめたり、クイズにしたり、絵を描いたり写真を貼ると見た目にも楽しいレポートになります。

それではさっそく博物館を見学しましょう!

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スロープ展示をみなさんに見ていただきました。こちらは日光白根山を山登りしている感覚でご覧になれる展示です。

みなさん一生懸命メモをとってくださっています。

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みなさんにお話を聞いていただいた後はスロープ展示を自由にみていただきました。

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気になる展示はありましたか?

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見学したら今度はメモしたことを大きな紙にまとめてみましょう。

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最初のタイトルを決めるのに苦戦されている方が多くいらっしゃいましたが、

みなさん書けるところからどんどんすすめていました。

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皆さん絵も描いて、展示の写真をつかってとても華やかにレポートを作られていました。楽しいレポートになりましたね。

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今回は博物館についてのレポートをかいていただきましたが、

夏休みを利用して博物館以外の場所でもわかったことをメモして、自分だけのレポートをどんどんつくってみましょう!

勉強になりますし思い出にもなりますね。


次回からは「博物館でやってみよう!」を行います。

9月9日日曜日は「まゆ玉でお月見うさぎをつくろう」

9月29日土曜日は「古墳時代の衣装を着てみよう」です。

どちらも予約不要で当日参加することができます。皆さまぜひお越しください。

(解説員:荒川・落合)

 新聞やテレビでたびたび報道されている、外来種クビアカツヤカミキリについて、展示を開催中!

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クビアカツヤカミキリは、幼虫がモモやサクラの生きた幹を食べます。そのため、木は弱ったり枯れたりしてしまいます。

栃木県では2016年に初めて発見され、2017年には県南のモモ園などで被害が出てしまいました。

このままでは近い将来、お花見をすることやモモを食べることができなくなるかもしれません。

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展示では、クビアカツヤカミキリがどのくらいの大きさで、どんな色や形をしているのか、標本で紹介しています。

また、クビアカツヤカミキリの生態や、栃木県やその周辺の分布状況、被害状況、実際に行われている対策を写真などで紹介しています。

この展示で少しでも多くの人にクビアカツヤカミキリを知ってほしいです。

 

10月8日(月・祝)まで、栃木県立博物館エントランスホール(無料エリア)で開催します。

ぜひお越しください。

(自然課 鈴木)

講座「昆虫標本をつくろう」を行いました。

811日に研修室で昆虫標本作製の講座を行いました。

一番大事なことは、その標本が「いつ、どこで」見つかったのかを記録しておくことです。これがあることで、その時、その場所にどんな昆虫がいたかの証拠になります。

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いよいよ標本づくりです!

まず、昆虫を選びます。

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今年もカブトムシやクワガタが大人気です。けんかにならないように、話し合いやジャンケンで選ぶ順番を決めました!

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選び終わったら、まずはからだを観察します。

脚やはねはどこから生えているのかな?

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観察したら、昆虫に針を刺します。まっすぐ刺すことがポイントです。

かたい昆虫のからだにまっすぐ刺すのは大変です。がんばろう!

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針を刺し、高さをそろえたら、形を整えます。脚や触角をきれいに整え、動かないように針で固定します。

左右を同じ形にするときれいになります。

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中には後ろばねを出した標本を作る子も。

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標本を整え終えたら乾燥させます。1~2か月乾かした後、標本を壊さないように脚などを押さえる針をゆっくり抜きます。そして、標本をゆっくり抜き、「いつ、どこで」採れたかかが書かれた紙(ラベル)を標本の下に刺せば完成です。

自分で採った昆虫も、同じように標本にしてみてくださいね。

(自然課 鈴木)

栃木県立博物館では、栃木県立博物館協議会の委員を次のとおり募集します。

1 募集人員  原則1名
2 応募期間  平成30(2018)年8月24日(金曜日)から平成30(2018)年9月20日(木曜日)

詳しくは募集案内を御覧ください。(PDF形式)

募集案内.pdf
応募用紙.pdf
作文用原稿用紙.pdf

お問い合わせは、総務課までお願いいたします。
電話番号028-634-1311

栃木県立博物館

819日(日)に、県博デーがありました。

今回のとっておき講座では、栃木県内での調査で判明したカエルとサンショウウオの最新情報を、3件紹介しました。

まず1つ目は、栃木県から新たに見つかった未記載種(新種)のカエルについてです。

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栃木県にはタゴガエルというカエルが生息しているのですが、このカエル、どうやら地域によって大きさが違う別の種類がいるようです。

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新種を見つけると、その種類がどの範囲まで生息しているのか、どういう進化をしてきたのかなど、疑問が尽きません。

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2つ目は、サンショウウオの滝登りについてです。

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「鯉の滝登り」という慣用句がありますが、サンショウウオだって滝に登る!ということが判明しました。

なんと、水が流れる岩場を、ハコネサンショウウオの幼生が水に逆らって集団で登っていくのです。

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さて、このサンショウウオ達はなぜ滝を登っているのでしょう。

林学芸員によると、奥日光の沢は下流域が急激に干上がってしまうことがあります。そんな時に、水が残っている上流に向かってサンショウウオの幼生たちが移動しているのではないか、ということです。

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3つ目は、栃木県で分布を広げているヌマガエルというカエルについてです。

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このカエル、元々は暖かい地方に住んでいるカエルでしたが、栃木県では1999年に見つかりました。

その後、林学芸員は、仲間の研究者と共にこのカエルがいなくなるのか、増えるのかなどについて調査を行っています。

その結果、2001年では県南部の狭い範囲にいたものが・・・

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2002年には広がっていき・・・

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2017年には、県央部まで広がってきています。

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このカエルがどうやって栃木県に入ってきたのか、絶滅危惧種を含め、周りの環境に影響があるのかなど、疑問は尽きません。

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今後、これらの生き物たちについて、どんなことが判明していくのか、楽しみですね。

現在開催中の企画展「レッドデータブックとちぎ2018」では、他にも関連行事を予定しています。

826日(日)記念講演会「消えゆく生物からのメッセージ~菌類(きのこ・カビ・酵母)を例に~」

99日(日)リレー講座「植物」

930日(日)リレー講座「セキツイ動物」

ぜひ参加してください。お待ちしております。

(自然課 鈴木)