現在、第122回企画展「藤原秀郷―源平と並ぶ名門武士団の成立―」(~12/9())が開催中です!

藤原秀郷は、平安時代中ごろの下野出身の武将で、平将門の乱を鎮圧したことから鎮守府将軍に任命され、のちには武芸の祖と仰がれ、その子孫たちは秀郷流武士団を形成しました。

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【秀郷展】担当学芸員の山本さんにその見どころを聞いてきました!

開幕!と思ったのもつかの間、実は、前期展示(~11/18()は残すところ1週間ばかりなのですって!

展示替えがあるなんて、知っておりましたか皆さま!

そんなわけで、今回は、前期にしか見られない作品をご紹介します。

 

延喜式  巻四二 鎌倉~南北朝時代(14世紀) 東京国立博物館所蔵

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*本展出品、唯一の国宝!*

皆さんご存知の平安京の図面を載せている資料で現存最古級だそうです!

左京図・宮城(大内裏)図・内裏図・八省院(朝堂院)図・豊楽院図・右京図という順に部分ごとに図画されています。

*平安京の構造と貴族の邸宅に関する情報も満載!*

山本さんおススメの注目ポイントは、特に左京区とのこと。

秀郷の子の千晴と関係深い公卿源高明の邸宅「高松殿」や秀郷の子孫が仕えた藤原摂関家の邸宅「東三条殿」の文字が確認できるそうです。

ちなみに、東三条殿は貴族の邸宅様式である寝殿造の代表的建築として有名なのだとか!

秀郷が活躍した時代に思いを馳せて、皆さまもぜひ展示室で京の都を探検してみてくださいね。

 

北野縁起絵(岩松宮本) 中巻 貞治6年(1367) 国立歴史民俗博物館所蔵

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*清涼殿に落雷!菅原道真を追放した藤原時平 VS 怨霊となった菅原道真*

今では学問の神、天神様として知られる菅原道真ですが、藤原摂関家の政争に破れて不遇の死を遂げ怨霊となったとされます。

当時の都を震撼させた清涼殿落雷事件やそれにまつわる道真の天神信仰は、10世紀における大きな出来事であり、まさに秀郷が生きた社会背景を映した絵巻なのですね!

また、道真は平将門と結びつけて考えられることもあり、将門の新皇即位の際にも道真の霊魂が登場するのだとか!

なるほど~そう言われると、絵巻に描かれている怨霊道真に立ち向かい抜刀する時平が、将門を討ち取る秀郷と重なって見えてきますね!

緑色の雷神(道真?)の表情もコミカルで、もくもくとした黒雲や激しい雨、不思議にカクカクと伸びる稲妻の表現のおもしろさも注目です。

 

伊勢物語図屏風 六曲一双 江戸時代 斎宮歴史博物館所蔵

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*右隻の第9段「東下り」が特に注目!*

東国で活躍した秀郷ですが、雅やかな王朝文化を享受する都の人々にとって東国は、和歌に詠みこまれる憧れの地でもありました。

そんな秀郷と同時代の地方イメージをふくらませるのが「伊勢物語図屛風」です。

125段のうち、代表的な48場面が右左隻24場面ずつ描かれています。

「か・き・つ・ば・た」を歌に詠みこむ「八橋」をはじめ、抒情的に東国紀行を語る「東下り」は有名ですね!

そこには平安時代の東国の風景が垣間見えます。

ぜひ富士山を見つけてほしい!と山本さん。

どこにあるかわかるでしょうか?

他にも、駆け落ちの果ての悲恋「芥川」、幼馴染の恋物語「筒井筒」、百人一首「ちはやぶる神代も聞かず......」でお馴染みの「龍田川」などなど、時に恋に胸打ち、時に四季に思いを馳せる魅力的な王朝ロマンが金雲の中に散りばめられています。

豪華な金屏風は間近で見ると迫力です!

 

※ご紹介した作品はすべて1118日(日)までの展示です。

皆さまのご来館をお待ちしております!

<つづく>

 

(人文課 久野)

皆さんこんにちは。いつも博物館をご利用下さいましてありがとうございます。

宇都宮市立陽南小学校3年生の皆さんと、体験プログラム「昔をしらべる-昔の道具体験-」をおこないました。

今回は、「火起こし体験」「天秤棒体験」「石臼体験」の3種類を体験します。

1 火起こし体験

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現在はライターやマッチなどで簡単に「火」が手に入りますが、昔の人はどのようにして「火」を手に入れたのでしょうか?色々な方法がありますが、今回は火をおこす道具を使って体験です。この道具は「まいぎり式」といって、ひもを使って軸の棒をくるくる回して火をおこします。リズミカルに操作しないと、うまく回せません。初めのうちはみんな手こずっていましたが、次第に慣れてきて上手に回せるようになりました。(火起こし体験は屋内でおこなうため、実際に火はつかない仕様になっています)

2 天秤棒体験

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皆さんは、水がほしいときはどうしますか?水道の蛇口をひねればいつでも好きなだけ水が使えます。宇都宮市に水道ができて約100年です。では、それ以前はどのようにして水を手に入れていたのでしょうか?じつは、井戸水を使ったり、川から水を運んだりしてきました。今回は、川から水を運ぶときに使われていた「天秤棒と水桶」を体験しました。この水桶の中には約15リットルの水が入っています。それを担いで歩いてみました。とっても重いです!フラフラしてうまく歩けません。こんな大変な仕事を毎日続けていたのかと思うと、水道のありがたさがよくわかりますね。

3 石臼体験

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石臼は、何に使う道具でしょうか?そうです。粉をひく道具です。今ではほとんど使われなくなってしまいました。今回は大豆を挽いて「きな粉」をつくる体験をしました。石臼は当然ですが「石」でできているのでとても重いです。そこへ大豆を入れてぐるぐる回すのですが、とても重くて片手ではうまく回せません。みんなで少しずつ回してきな粉をつくりましたが、大変だった割にはあまり粉が出てきませんね。家族全員分のきな粉をつくろうと思ったら、とても時間がかかるし、とても疲れるという事が分かりました。

4 体験のまとめ

今回体験した3種類の道具は、現代の道具と比べるととても大変なものばかりです。ですが、これらの道具が発明される以前のことを考えると、その当時としてはとても便利な道具だったに違いありません。道具にはその時代の人々の考えや工夫がたくさんつまっているのです。

ありがとうございました。


博物館では、学校を対象に館内で行える体験プログラムをご用意しています。

博物館を利用しようとお考えの先生方、ぜひご検討ください。詳細は、当ホームページ内「先生方へ」のバナーをクリックして下さい。

教育広報課

11月のミュージアムツアーのご案内

11月のミュージアムツアーについてお知らせいたします。   

当館では11月に以下の展示を開催いたします。

★企画展「藤原秀郷-源平と並ぶ名門武士団の成立-」 10月27日(土曜日)~12月9日(日曜日)
★テーマ展「ジョージ・ルイスと武田久吉-明治日光の昆虫・植物研究の先人-」 10月20日(土曜日)~1月20日(日曜日)       

11月のミュージアムツアーのスケジュールについては以下のとおりです。

 ミュージアムツアーは13時30分から開催しております。
 ※土曜日、日曜日(第3日曜日を除く)、祝日のみの開催です。

 3日(土曜日・祝日) テーマ展「ジョージ・ルイスと武田久吉-明治日光の昆虫・植物研究の先人-」

 4日(日曜日)     ロビー展示「化石・恐竜」

 10日(土曜日)    企画展「藤原秀郷-源平と並ぶ名門武士団の成立-」

 11日(日曜日)    テーマ展「ジョージ・ルイスと武田久吉-明治日光の昆虫・植物研究の先人-」

 17日(土曜日)    企画展「藤原秀郷-源平と並ぶ名門武士団の成立-」

 18日(日曜日)    キッズ・ツアー「神さまと仏さま」

 23日(金曜日・祝日)企画展「藤原秀郷-源平と並ぶ名門武士団の成立-」

 24日(土曜日)    テーマ展「ジョージ・ルイスと武田久吉-明治日光の昆虫・植物研究の先人-」

 25日(日曜日)    テーマ展「ジョージ・ルイスと武田久吉-明治日光の昆虫・植物研究の先人-」

 ※テーマ展は約20分、企画展は約40分、ロビー展示は約15分、キッズ・ツアーは約30分程度を予定しております。

☆キッズ・ツアーとは...?☆
通常のミュージアムツアーとは異なり、お子様向けに毎回内容をかえて解説を行います。
解説場所については、当日の館内の掲示板にてお知らせいたします。

また、11月の休館日は、

5日(月曜日)、12日(月曜日)、19日(月曜日)、26日(月曜日)です。

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

皆さんこんにちは。いつも博物館をご利用下さいましてありがとうございます。

上三川町立本郷北小学校5年生の皆さんと、体験プログラム「貴族のくらし」を行いました。

初めに、貴族の衣装を体験です。モデルさんには狩衣を着てもらいます。

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狩衣は、男性貴族の普段着として着られていました。もとは「狩り」に行くときの衣だったので、狩衣と呼ばれています。

続いて、十二単をモデルさんに着付けていきます。

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十二単は2人がかりで着付けていきます。平安時代も2人で着せていたそうです。

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写真の赤い着物を「唐衣(からぎぬ)」、腰のあたりに見える白い着物を「裳(も)」といいます。この着物を着れば十二単の完成です!

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最後に、協力してくれたモデルさんの記念撮影です。2人ともよく似合っていますね♪

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このあと、児童の皆さんに十二単を試着してもらい、重さなどを感じてもらいました。見た目以上に重いので、皆さん驚いていました。今回は、宮っ子チャレンジで博物館に来ている宇都宮市立宮の原中学校の生徒さんもお手伝いしてくれました。

約1時間の体験でしたが、児童の皆さんは実際に体験してみて新しい発見ができたようでした。

ありがとうございました。


博物館では、学校を対象に館内で行える体験プログラムをご用意しています。

博物館を利用しようとお考えの先生方、ぜひご検討ください。詳細は、当ホームページ内「先生方へ」のバナーをクリックして下さい。

 栃木県立博物館では、平成31(2019)年2月24日に研究・活動発表会「あつまれ!自然好き」を、2月2日~3月3日にテーマ展「あつまれ!自然好き-ポスター発表―」を開催します。

 つきましては下記のとおり発表団体を募集いたしますので、奮ってご応募ください。

【開催趣旨】

 栃木県内で自然観察や調査、自然環境の保全活動に取り組んでいる団体に、活動内容やその成果を発表していただき、広く県民に自然を調べる楽しさや自然環境の大切さを知っていただくことを目的として開催いたします。

【参加団体について】

 栃木県内で、動物・植物・地質・岩石・鉱物・化石など、自然に関する観察や調査、あるいは自然環境の保全活動を行っている団体。

 募集団体は20団体。申込多数の場合、過去に「あつまれ!自然好き」での発表経験がない団体、発表回数が少ない団体を優先し、さらに数を絞る必要がある場合には抽選によって発表団体を決定します。

 詳しくは募集要項をご覧ください。

【発表内容】

 団体が実施した調査結果や活動内容及び団体の紹介。

 ただし、以下のような内容の発表は受け付けません。

  • 営利を目的とする発表
  • 野生生物の乱獲や遺伝的撹乱の原因となる危険性がある発表
  • 科学的な正確さに関して著しく問題がある発表
  • 公序良俗に反すると考えられる発表
  • その他、この行事の趣旨にそぐわない発表

【発表方法】

 同じ内容について、以下の(1)と(2)の両方での発表も、どちらか一方での発表も可能です。

(1)研究・活動発表会「あつまれ!自然好き」

 聴衆を前に口頭で発表していただきます。

 <開催日時> 平成31(2019)年2月24日(日) 10:00~16:00

 <開催場所> 栃木県立博物館 講堂

 <発表時間> 1団体 15分(質問時間を含む)

  •  定員200名の会場で行われますので、見やすく分かりやすい発表をお願いします。パワーポイントを使用した発表が可能です。その他の機材については御相談ください。

(2)テーマ展「あつまれ!自然好き-ポスター発表-」

 栃木県立博物館の展示室に1ヶ月間展示されます。

<会期> 平成31(2019)年2月2日(土)~3月3日(日)

  <展示作業期間> 平成31(2019)年1月26日(土)~2月1日(金)

  <展示撤収期間> 平成31(2019)年3月3日(日)午後5時以降~3月7日(木)

<開催場所> 栃木県立博物館 展示室2 自然系テーマ展示室

<発表スペース等>

  • 1団体に付き、テーマ展示室のボード(幅84cm高さ約200cm)2枚分のスペースを提供します。また、展示台(幅100cm奥行き40cm)1台が使用可能です。展示台に標本等を置く場合は、触られぬように、高さ20cmまたは40cmのアクリルカバーをかけることができます。その他の機材が必要な場合は御相談ください。
  • 原則として、展示の準備・撤収作業は各団体で行っていただきます。
  • ボードには、画鋲や小釘が使用できます。画鋲、小釘、両面テープは博物館で準備します。
  • 生き物や未消毒の植物・土などの展示はできません。標本によっては、博物館で消毒を行ってから展示することになりますのでご了承下さい。

【参加費】

 参加費無料

募集要項のダウンロードはこちら 

申込書のダウンロードはこちら

【参加申込み】

 申込期限 平成30(2018)年12月2日(日)

 申込用紙に記入の上、郵送、FAX、または直接、栃木県立博物館へ。

 下記担当者にEメールでお申込みいただいても結構です。

<申込み・問合せ先>

〒320-0865 宇都宮市睦町2-2 栃木県立博物館 学芸部自然課 担当:南谷

電話 028-634-1311  FAX:028-634-1310

2018年10月27日(土)、研修室にて表記の講座を行いました。

小雨模様の中でしたが、10名ほどの皆様にご参加いただきました。担当は南谷学芸員です。

観察に入る前に、ダンゴムシやワラジムシの特徴や分類などについてのお話しがありました。

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このなかまは海のフナムシと親類であり、体は頭部・胸部・腹部・尾部からなり、肢(あし)は7対14本あるそうです。

栃木県にはワラジムシのなかまが19種類もいて、このうちオカダンゴムシなど5種類は外来種です。種類によって好みの環境があり、すみわけをしています。

次に、ホソワラジムシ、オカメワラジムシ、コガタハヤシワラジムシ、オカダンゴムシの生体や、アルコール液浸標本を実際に観察しながら、その説明を聞きました。

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説明中の特徴を実物で確認するのは、なかなか難しいこともあるようです。

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次にその日の朝、博物館周辺で採集した、ダンゴムシなどが入った土や落ち葉をバットに入れて、皆さんにお配りしました。

その中からダンゴムシやワラジムシを探し出し、ピンセットでシャーレに取り出します。

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お子さん達だけでなく、お父さん・お母さんもご一緒に作業しています。何匹ものダンゴムシが土の中から取り出されました。

ピンセットの取り扱いも次第に上手になりました。

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オカダンゴムシのオス・メスを見分けました。特徴をとらえればなかなか分かりやすいです。

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本日の最後の観察は、グッと難易度が増しました。オカダンゴムシとコシビロダンゴムシの判定です。

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尾節の先端が三角形か台形のような形かを見極めるのです。

双眼実体顕微鏡を使っても、動いているダンゴムシの尾をよく観察するのはとても難しいです。

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最後に今日の観察のまとめを行いました。

皆さんの家の近くで、今日の講座をもとにいろいろと観察してみましょう。また、面白そうなダンゴムシやワラジムシを見つけたら、博物館まで持ってきてくださいというお願いもありました。

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観察をお手伝いくださったボランティアの皆様、有難うございました。

このような講座は来年も開催されます。是非皆様のご参加をお待ちいたしております。(自然課 浅羽記)

みなさんこんにちは。

木の葉も色づきはじめ、すっかり秋の気配ですね♪

芸術の秋にふさわしく、10月20日(土曜日)に、

「博物館でやってみよう!わかぴったん‐百人一首と筝(こと)を体験‐」を行いました。

このイベントは、宇都宮短期大学附属高等学校の

日本音楽部、百人一首部の皆さんとの合同イベントです!

  

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まずは、日本音楽部の皆さんによる筝重奏「花筏」の演奏です。

綺麗な箏の重奏が、エントランスホールに響きました。

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途中、筝についての説明もしていただけます。

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続いて、筝合奏「OKOTO」の演奏。

美しい音色に、みーたんも聴き入っています!

  

このあと、競技かるた実演の前に、

解説員から「宇都宮市と百人一首の関わり」について説明させていただきました。

約800年前の鎌倉時代に活躍した、宇都宮氏の五代目、宇都宮頼綱。

宇都宮を治める武士でありながら歌人でもあった頼綱は、

百人一首成立のきっかけをつくった人物なのです。

宇都宮頼綱について興味をお持ちの方はぜひ、栃木県立博物館展示室1にお立ち寄りくださいね♪

  

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さていよいよ、百人一首部の皆さんによる、競技かるたの実演です。

『ちはやぶる』で話題になった競技かるたについて、

百人一首部の皆さんによるわかりやすい説明と、迫力ある実演が行われました。

エントランスホールに、和歌を詠む声と札をとる音が響き渡ります。

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今回は特別に、みーたんも体験させていただきました!

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とっても楽しそうですね♪

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宇都宮短期大学附属高等学校の皆さん、本当にありがとうございました!

   

最後に、エントランス奥へと場所を移して、

当館オリジナル百人一首ぬりえのしおりづくりを行いました。

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皆さん、親子で協力して、

とってもきれいなしおりができあがりました♪

  

今回のイベントをきっかけに、

宇都宮と関わりの深い百人一首に興味を持っていただければ幸いです♪


次回の「博物館でやってみよう!」は、

11月3日(土曜日) 鎧を着てみよう です。

こちらは予約の必要はありません。

当日、ぜひお集まりください♪

また、

11月23日(金曜日) 落ち葉ステンドグラスをつくろう が行われます。

こちらは、現在予約受付中です!

落ち葉で世界に一つしかないステンドグラスをつくろう!

みなさまのご参加お待ちしております♪

(解説員 長島・青野)

木々の葉も色づき始め、秋が深まってきましたね。

毎年、この季節になると開催される人気の観察会があります。

「めざせ!ゴールドハンター☆砂金を探せ!」です。

今年も無事、開催することができました。その様子を少しご紹介します。

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朝9:30、気持ちのよい秋晴れの中始まりました。

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博物館担当者から道具の使い方や注意点などの説明があり、

その後、みなさんにも体験していただきました。

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しばらくすると・・「あ!これ金?(参加者)」「これ、金ですよ!(博物館担当)」

そんなやりとりがあちらこちから聞こえてきました。

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↑この中に砂金があります。どこにあるかわかりますか?

2時間半ほどの観察会で、ほとんどの参加者の方が砂金をとることができました。

今年も、多数のお申し込みありがとうございました。

残念ながら参加できなかったみなさま、次年度もぜひお申込みお待ちしております!

(自然課 薄井)

2018年10月20日(土)から2019年1月20日(日)まで、テーマ展「ジョージ・ルイスと武田久吉」が当館で開催されています。

それに関連して、20181021日(日) 13301500に、表記の講座が開かれました。担当は、当館の栗原学芸員です。

今回の講座の内容を簡単にご紹介いたします。

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 イギリス人のジョージ・ルイス(1839~1926)は、本業は貿易商で、インドやスリランカ、中国、日本などを訪れています。日本には2回来日し、各地で昆虫を採集し多数の新種を発見しました。第1回目の日本上陸は1867年から1872年でした。

これは、1883年ルイスが日本で採集し記載したヒメオオクワガタです。

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日本には、甲虫をはじめ多くの昆虫が生息します。明治初期、それらのほとんどが新種だったようです。

当時の日本国内での移動は主に馬車と徒歩で、必ずしも旅行に快適な環境ではなかったようです。その中でルイスは精力的に採集を行い、標本を作成し、新種を記載していきました。たとえば、ルイスが研究したオオキノコムシの仲間では、50種中の43種が新種でした。

これは、ルイスが2度目に来日した1880年から1881年にかけて、日本中を歩いた軌跡を地図上に示したものです。

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日光には3回も訪れ、合計で48日間滞在し、お気に入りの土地だったようです。ルイスが昆虫を採集した日光の地名としては、中禅寺、男体山、女峰山、今市などがあげられています。ルリクワガタ、ツヤハダクワガタ、マダラクワガタなどの新種はこれらの地域で発見されました。また、ルイスが採集し、ロンドン自然史博物館などの研究者たちが新種として発表した甲虫も多数ありました。

ルイスは日光で採集した標本に基づいて、ツヤナガタマムシを新種として記載しています。しかし、その後日光では全く見つかっておらず、本当に日光にいるのか?という疑問が提起されていました。ルイスがロンドン自然史博物館に残した標本を実際に確認すべく、栗原学芸員は英国に渡りました。

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現地で詳細に形態の比較研究を行った結果、ルイスが記載に使った日光の標本はツヤナガタマムシではなく、ミドリツヤナガタマムシであることが判明しました。これも、記録と標本が残されていたからこそです。

ルイスは2200種に及ぶ日本の甲虫リストを作成しました。彼の研究成果は20世紀以降の日本における甲虫の分類学を飛躍的に発展させる基礎となりました。現在、ルイスの名前がついている昆虫は43種ありますが、そのなかの5種を以下に示します。

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 ルイスは2回目の来日の際には、約20か月間に日本国内を約6000キロも踏破して、採集を続けました。彼はおそらく、日本の甲虫の多様性に感動し、採集と研究の情熱を掻き立てられたのではないかと思います。イギリスと比較して、日本は多くの甲虫で10倍以上の種類数が生息しています。熱帯や亜熱帯地域と比べ、イギリスと日本は同様な形態をもった昆虫類が多く、ルイスにもなじみ深かったのではないかと思います。

 今回の講座は以上のような内容を中心としたものでした。さらに興味や関心を持たれた方は、ぜひ、栃木県立博物館まで足をお運びください。

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上は、現在のテーマ展示の入り口付近の様子です。

多くの皆様方のご来場をお待ちいたしております。    (自然課 浅羽)

10月21日(日曜日)の県博デーに、キッズ・ツアーを行いました。

キッズ・ツアーは、いつものミュージアム・ツアー(定時解説)とは違った、お子様向けの解説です。

ご家族でご来館の際は、ぜひご参加下さい。

 

今回は、キッズ・ツアー「ぐるり。模様めぐり。~季節の植物~」を行いました。

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私達は、色々な模様に囲まれて生活していますが、昔の人は模様に意味を込めることもありました。

今回は、四季を彩る植物に関する模様を、館内に探しに出かけます!


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最初に、展示室2雑木林のジオラマに行きました。 雑木林は、人の手が少し入った自然です。

ジオラマでは、季節に因む植物の模様を探します。

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桜が咲いているので、ジオラマは、春の様子です。

桜の模様には、物事の始まりや五穀豊穣の意味があり、季節を問わず、使われました。

 

ジオラマには、他にも模様に使われる植物があります。

雑木林は、人が手入れすることで、植物のバランスを保っていました。

しかし最近は山に入る人が減ってしまい、アズマネザサが増えて、荒れています。

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笹は成長して、天に伸びる橋になると信じられていました。

笹は、生命力の強さ、真っ直ぐな姿が、日本人に人気で、七夕にも使われます。

 

次に、展示室1古代・中世で、別の植物を探します。

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お寺の瓦や仏像に使われる蓮は、泥水を吸っても美しく咲きます。

その姿に、人はつらさや悲しさを乗り越え、前向きに生きる姿を見出しました。

蓮には、お寺からの大切なメッセージが込められていたのです。

 

今回は、特別にハスの標本を見てもらいました。

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蓮は、花托が蜂の巣に似ていることから、名づけられたと言います。

 

展示室2岩石・鉱物コーナーでは、秋の模様に関わる植物を探します。

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秋に、黄色に色づくイチョウは、末広がりの縁起が良い模様とされました。

イチョウは、ヒトが誕生する前からあり、博物館にはその化石が展示されています。

 

最後に、松の模様を紹介しました。松はおめでたい模様です。

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昔の人は、冬も葉を落とさない松を長生きやおめでたいことを示す神の宿る木と信じていました。

正月に門松を飾るのは、神様が自分の家に下りてくる目印にするためです。

 

最後に、様々な種類のまつぼっくりを見てもらいました。

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今日は、様々な植物に関する模様を見てきましたが、いかがでしたか?

館内には、他にも植物に関する展示がたくさんあります。

また博物館のある自然豊かな中央公園は、間もなく紅葉が美しい季節に入ります。

天気の良い日は、皆様お誘い合わせの上、ぜひご来館下さい。

 

博物館の教育広報課では、植物に関わる工作も行っております。

11月23日(金曜日)には「落ち葉ステンドグラスをつくろう」、1223日(日曜日)には

「木の実クラフトをつくろう」を行います。

事前予約が必要ですので、ご希望される方は、お申し込みください。

皆様のご来館、お待ちしております。

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"キッズ・ツアー"は、毎月第3日曜日の1330分から実施しています。
次回は、1118日(日曜日)「神さまと仏さま」です。
また、第3日曜日は県博デー(博物館の日)として、キッズ・ツアーの他にも
たくさんのイベントを開催しています。
皆様のご来館をお待ちしております。

(教育広報課 解説員 中田)