2月25日(日)、「あつまれ!自然好き」を開催しました。

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館長による開会のあいさつ

 栃木県内の自然を観察するグループが集まり、それぞれが調べたこと、活動したことを発表しました。今年は6グループが参加しました。

 小学生から大学生、大人と幅広い年齢層の方々が発表者として登壇しました。

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発表中のみずほの自然探検隊のみなさん

 発表内容も幅広く、林づくり、自然探検隊の活動報告、キノコ、淡水海綿、カワトンボ、タカの渡りなど多岐にわたっていました。

 「あつまれ!自然好き」に出席された人々の間で、情報が共有され、交流が進み、さらなる活動・研究の発展につながればいいなと思います。

(自然課 井上)

みなさん、こんにちは!

日ごとに暖かい一日が多くなり、もう春がすぐそこに来ていることを感じられるようになりましたね。

さて、2月25日に博物館でやってみよう「貝合わせ体験」を行いました。

その時の様子をご紹介します。


もうすぐひな祭り。ひな壇(だん)飾りの中に貝桶(かいおけ)を置いたり、蛤(はまぐり)のお吸い物をいただく習慣があることを知っていますか。じつは貝合わせという昔の遊びに関係しています。

本来の貝合わせは平安時代に貴族が貝の美しさや珍しさ、それに添えた和歌の出来栄え(できばえ)を競う遊びでした。それに対して貝の上下を分けて複数の伏せた貝の中から対になるものを見つける遊びを貝覆い(かいおおい)と言います。時代が下がるにつれてこちらも貝合わせと呼ばれるようになりました。主に大きさや見た目の良いハマグリが使われて同じ貝の裏側に関係のある絵などを入れて楽しみました。また一組の貝は他の貝殻(かいがら)とは決して合わないことから、貝とそれを収納する貝桶は夫婦円満の象徴(しょうちょう)とされて江戸時代は公家や大名家の嫁入り道具となりました。ひな壇飾りの元にあたります。当館にも昔の貝や貝桶があります。

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とってもきれいですね

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そしてこちらの写真が、貝をいれておいた「鉄線唐草九曜紋散貝桶(てつせんからくさくようもんさんかいおけ)」という貝桶です。

皆さんにも遊んでもらいました。遊び方は神経衰弱と似ており、このように貝を円形に並べ、真ん中に出した貝と対になる貝をさがします。
ポイントは、貝の表面をよく見ること。対となる貝は、表面の模様が同じです。

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また裏面には、同じ絵や関連のある絵が描かれています。月とウサギで正解です!(こちらで使用しているのは、以前の体験活動でのビノスガイを用いて作成したものです。)

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いよいよチャレンジ!うまく見つけられたかな?

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同じ貝ならぴったり合うはず。

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またそれぞれ自分だけの貝合わせを作ってもらいました。関係のある絵をかいてみましょう。細かいところまでていねいにかいていますね。

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すてきな貝合わせができましたね。ぜひお家にかざって楽しんでください。

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小さな貝の中に広がるみやびの世界を体験してもらいました。少しでも昔の遊びに興味をもってもらえたら幸いです。


次回の博物館でやってみようは3月3日(日)ひな祭りの日開催の「十二単(じゅうにひとえ)を着てみよう」です。

こちらは予約不要です。みなさんのご参加をお待ちしております。

教育広報課 解説員 相子 北村

春の気配が感じられるようになりましたね。

博物館では2月18日(日)にキッズツアー「なぜなぜ?どうして?はくぶつかん」を
行いました。

博物館の3つの役割 ①あつめる・まもる(収集・保管)

          ②しらべる・けんきゅうする(調査・研究)

          ③みせる・つたえる(展示・教育) について

キッズのみんなにもクイズで考えてもらいました。

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そのあと、 みんなでバックヤードに出発です。

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事務室や研究室の廊下を通っていきます。

「研究室って本がたくさんあるね。」

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「収蔵庫の扉はこのくらいの厚さがあります。頑丈です!」

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みんなで展示物用のエレベーターにのります。耐荷量3000㎏ですから、

50㎏の人なら60人まで大丈夫です!

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新収蔵庫の建物と入口をご案内。

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収蔵庫の中が見られる「収蔵庫ガイド」は

6/9(日)11/3(日)に行われます。参加費無料ですが予約が必要です。

収蔵庫の中をじっくり見学できます。

キッズツアーに参加してくださった皆さま ありがとうございました。

次回のキッズツアーは3月17日「いろいろな動物の歯を見てみよう」です。

どうぞおたのしみに!!

みなさん、こんにちは!

最近は雪が降ったり暖かかったりと忙しいですね。

さて、2月11日に博物館でやってみよう「化石を楽しもう」を行いました。

その時の様子をご紹介します。


今回の博物館でやってみようは事前予約制となっていました。

みなさんには今回の体験で使用するセットが準備された席に座ってもらいました。

机の上にはプリントとレプリカづくりに使う石膏などが置いてあります。

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始めに「化石のはなし」をしました。

地球の歴史やアンモナイトについての解説をみなさんよく聞いてくれました。

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また、本物の化石を触る体験もしました。

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続いてレプリカづくりを行いました。

水と石膏を混ぜてアンモナイトの型に流し込みます。

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上手にできるかな。

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石膏が固まるには時間がかかるので、すぐには取り出さず、机の上に静かに置いておきます。


次は博物館の化石について学びました。

みなさんと通路から高原山を見ました。天気がいい日でしたのでよく見えました。

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次に展示室1で通路から見た高原山や、木の葉の化石について学びました。

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最初の会場に戻って今度は化石割りを行いました。

とんかちとたがねを使って化石を見つけます。

安全のためみなさんにはゴーグルを使用していただきました。

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出てきた木の葉の化石はなんという葉の種類かも調べました。

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最後に固まったアンモナイトのレプリカを取り出しました。

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完成したアンモナイトの化石のレプリカと木の葉の化石を持って写真をパシャリ。

みなさん嬉しそうでよかったです。

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お帰りの際にお土産として化石をプレゼントしました。

参加してくれたみなさん、ありがとうございました。


次回の博物館でやってみようは、2月25日(日)開催の「貝合わせ体験」です。

こちらは予約不要です。みなさんのご参加をお待ちしております。

教育広報課 解説員

みなさん、こんにちは!

ふとんから出るのがむずかしい季節ですね。

さて、1月28日に博物館でやってみよう「古墳ブローチを作ろう」を行いました。

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

その時の様子をご紹介します。


古墳というのは、昔の力を持った人のお墓のことです。

いろいろな形がありますが、県内にある古墳から5種類の古墳をピックアップしました。

前方後方墳

前方後円墳

帆立貝型古墳

円墳

方墳

の5種類です。この中から自分の"推し"の古墳を選んでもらいました。

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形を選んだら、次は色。同じ形でも色が違うから迷っちゃいますね。

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色も形も決まったら、作業開始!

古墳の形をしたフェルトを、大きさ順にボンドではっていきます。

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じょうずにはれるかな?

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はれたら完成! かわいい古墳ブローチができました!

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今回作った"推し"古墳のブローチをつけて、県内の古墳めぐりをすると楽しいかもしれませんね!


次回の博物館でやってみようは、2月11日(日)開催の「化石を楽しもう」です。

誠に申し訳ございませんが、こちらは予約が定数に達しております。ご了承ください。

次々回の博物館でやってみようは、2月25日(日)開催の「貝合わせ体験」です。

こちらは予約不要ですので、みなさんのご参加をお待ちしております。

教育広報課 解説員 横山

みなさんこんにちは。

1月21日の県博デーキッズツアーでは「昆虫クイズ!このムシだれだ?」を行いました。

その様子を紹介していきます。


今回のキッズツアーは、集まってくれたみなさんに、昆虫についてのクイズに答えてもらいました。

一問目は、この写真の昆虫は何かを当ててもらいました。

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ーーー答えはカブトムシでした。

その後、クワガタやチョウについてのクイズに答えてもらいました。

みなさん難しい問題でも元気に手を挙げて答えてくれて、とてもうれしかったです。

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また、ドイツ箱を覗いて、チョウを探してもらいました。

ドイツ箱のなかには、落ち葉の上によく似た色のチョウが隠れていて、

みなさん指をさして見つけたチョウを教えてくれました。

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その後、展示室2でみなさんに昆虫を探してもらいました。

最初に探してもらったのはプラネットミヤマクワガタです。

みなさん一生懸命で楽しそうでした。

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参加してくださった皆さま、本日はありがとうございました。

次回のキッズツアーは2月18日「なぜなぜ?どうして?はくぶつかん」です。

皆さまのお越しをお待ちしております。

教育広報課 解説員

みなさんこんにちは。

最近も寒い日が続きますね。お体に気を付けてください。

1月14日日曜日、栃木県立博物館で博物館でやってみよう「探検!縄文時代」を行いました。

その様子を一部紹介します。

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まずはじめに本日行うことを説明しました。面白そうな体験はあるかな?

次に展示室へ行って縄文時代について解説をしました。

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縄文時代の人はどのようなものを使っていたのか、何を食べていたのか、どのような家に住んでいたのかを解説しました。

縄文時代より前の旧石器時代の人々は獲物を追って移動する生活をしていました。土器の出現により食べられるものが増えたため、人々は定住生活を始めたとされています。土器は縄文時代を代表する道具の一つとなっています。縄文時代の土器の特徴として模様や形を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。実は模様や形は地域や年代によって大きく異なります。縄文時代という名前からわかるように縄の模様がついる土器、反対に縄の模様がついていない土器、動物や人などのモチーフが付いている土器...などとても多くの種類の縄文土器が存在します。是非よく見てください。

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また、展示室を移動しまして2月4日まで開催のテーマ展「巡回展 栃木の遺跡」の「袋状土坑」(ふくろじょうどこう)について解説を行いました。

袋状土坑とは入口が狭くなっていて、下の方が広くなっている穴のことを指します。この袋状土坑では食べ物(植物系)を貯めるために掘られました。穴に保存?と思う方もいるのではないでしょうか。実はこの袋状土坑では温度や湿度が一定に保たれるため、保存には適した環境となるのです。冷蔵庫などの家電製品が無い時代にはこういった保存方法もあったのですね。

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続きまして縄文時代に関連した資料を触る体験をしました。

縄文時代には鉄が無かったため生活の道具は石や木などで作られました。左の写真の真ん中のあたりにある石は黒曜石です。全国に多くの黒曜石の産地があります。栃木県では高原山が産地となっています。黒曜石は交易で使われることが多く、別の地域の黒曜石が見つかることもあります。高原山の黒曜石は関東地方から東北地方の南部で見つかることがあります。

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触り心地はどうかな?どの毛皮が服にできそうかな?

ツキノワグマの隣にある毛皮はカモシカの毛皮です。カモシカは栃木県の県獣で国の特別天然記念物にも指定されている動物です。カモシカという名前からシカの仲間と思われることが多いですが、実はウシの仲間です。角が生え変わらなかったり、オスメスどちらにも角が生えたりするなど異なる点は多くあります。

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最後に火おこし体験と編布衣装体験を行いました。

今回火おこしで使った道具は舞ぎり式という種類です。この舞ぎり式は縄文時代より新しい時代の火おこしです。実際に縄文時代に使われたのはキリモミ式や弓キリ式といわれる方法です。

現代の火おこしに比べたらもっともっと大変な作業ですが、縄文時代の火おこしと比べると簡単に火をおこすことができます。

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あんぎん衣装は上からかぶり腰のあたりで紐を縛るという簡単なものです。当時寒かった場合は上に毛皮を着用しました。

気分は縄文時代?!

改めましてご参加いただいきありがとうございました。


次回の「博物館でやってみよう」は、1月28日開催の、「古墳ブローチをつくろう」です。

予約制ではありませんので、どなた様でもご参加できます。お楽しみに!

解説員 塩澤 相子

【展示室1一部閉鎖のお知らせ】

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2024年2月14日~3月下旬の間、展示室1 中世~近現代の展示において、LED工事のため閉鎖いたします。

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

12月17日(日)13時30分~講堂にてとっておき講座「とちぎのレッドリスト最新情報!」を開催しました。今回はリストの5分野の担当者がそれぞれの注目ポイントなどを交えて今回のレッドリスト改訂について解説しました。

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まず吉田学芸員が、地形・地質分野について説明しました。

地形・地質のリストは、今回の改訂では大きな変化は見られなかったため、調査を行った中で感じたことが紹介されました。

(吉田学芸員の話)

「第四紀降下軽石層について、男体山の軽石層が見られる地層を探しに何度か今市から日光を訪れました。少し探せば見つかるだろうと思っていましたが、昔あった露頭は草木が生えて見えなくなり、新しい露頭を見つけるのに苦労しました。ちょうど大規模な工事をしていて地面を掘り起こしていたため、男体山の噴出物である今市軽石層と七本桜軽石層が見える露頭を見つけることができましたが、工事が終わればコンクリートに覆われてしまい、また見えなくなります。」

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「露頭を見つけるのは、意外と難しいですが、地面の下にはちゃんと軽石層が保存されています。」

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次に維管束植物・植物群落分野について星学芸員が説明しました。

(星学芸員の話)

「維管束植物はレッドリスト掲載種が519種から523種になり、サガミランモドキやタンザワサカネランなど4種のランが追加になりました。また、県内で絶滅したとされていたコキンバイザサが再発見されたり、シダ植物であるイワヒバが数と産地が増えていることから準絶滅危惧から要注目に変更になったことなど、変化のあった種がいくつかありました。」

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「植物群落はハルニレ群落2つ、エゾノコリンゴ群落、カラコギカエデ群落、フモトミズナラ群落が追加になり54群落から59群落になりました。ハルニレ群落は希少種であるクロビイタヤが生える群落として保全の必要性があります。」

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続いて、魚類・鳥類・哺乳類分野について小笠原学芸員が説明がしました。

(小笠原学芸員の話)

「魚類では、新たに追加されたキタドジョウとトピック種としてキンブナを紹介します。キンブナはギンブナとよく似ており、見分けるときのポイントは以下のとおりです。」

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鳥類では、ヨシゴイが話題に挙がり、面白い立ち姿の写真が映し出されると、お客様からも少し笑みがこぼれていました。

哺乳類では、情報不足とされているミズラモグラとそれに似ているアズマモグラについて、どこに違いがあるのか実物とともに説明がありました。

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次に両生類・爬虫類分野について、林学芸員が説明しました。

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(林学芸員の話)

「両生類の掲載種は14種で、今回1種追加になったのは新種のイワキサンショウウオで、栃木県では茂木町に生息しています。」

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「和名・学名変更になったのはムカシツチガエルで、やはりツチガエルから新種として分けられました。これまでのところ、栃木県で「ツチガエル」と呼ばれていたカエルはすべてムカシツチガエルと考えられています。ツチガエルとムカシツチガエルは、オタマジャクシのおなかの斑点の違いで見分けられています。

爬虫類の掲載種は10種で、こちらは変更はありませんでしたが、ヒガシニホントカゲは見つけづらくなっているものの一つです。

両生類・爬虫類ともに、希少なものだけでなく減少のしかたが激しいものがレッドリストに掲載されています。そのため、アズマヒキガエルやトウキョウダルマガエルなどの身近な種が含まれています。」

 最後の永嶋学芸企画推進員が昆虫分野について説明しました。

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(永嶋学芸企画推進員の話)

「昆虫分野では、生息環境の悪化が懸念されている水辺と草原を重点的に行いました。また、過去に採集された標本や希少種が記録された文献の調査を行いました。

 今回の改定で、絶滅の恐れが高まったのは、ヒョウモンチョウやミヤマシジミなど12種、新たに生息地が見つかるなどして絶滅の恐れが低くなったのは、オビベニヒメシャクやウスズミケンモン含め9種が掲載されました。また、前回のリストから新たに掲載された昆虫類が10種でした。第四次レッドリスト改定により昆虫類の掲載種は、563種から568種になりました。

 改定の結果、新規に掲載された種の多くが以前より減少しているものや環境省のレッドリストに掲載されている種類など、情報不足の点があるので、次回の改定までに重点的に行いたいと考えています。」

 5人の説明が終了した後、講堂前方に展示したそれぞれの分野の標本を見ながら、参加者はそれぞれ興味のある分野の学芸員に質問をしていました。

現在、2階ロビーにて「栃木県版レッドリストが新しくなりました!~絶滅のおそれのある生きものと地形・地質~」を展示しています(12/9~2/4 魚類・両生類・爬虫類、2/10~3/24 甲殻類・貝類・土壌動物)。また、テーマ展「ぼくらの自由研究~川の地形と石~」(~3/3)、「昔のこと知ってっけ?~道具を知れば暮らしが見える~」(~3/31)、「巡回展 栃木の遺跡~最近の発掘調査から~」(~2/4)も同時開催していますので、ぜひ足をお運びください。

(自然課 三宅)