みなさんこんにちは。

12月5日日曜日に「博物館でやってみよう!昔の暮らし体験④火おこし器・火打石」を行いました。その様子を少しだけご紹介します。


私たちの身の回りには、火を起こす道具としてマッチやライターがありますが、それらがなかった昔、火を起こすための道具としては「火おこし器」や「火打石」で火を起こしていました。

まず「火おこし器」について。今回体験していただいたのは、「舞切り式」と呼ばれる神社の儀式で使われた火おこし法です。

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比較的簡単に火を起こせる方法とされていますが、これが意外と難しい...

参加された子供さんから大人の方まで、真剣に取り組んでいました。

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やっていくと煙や少し焦げた匂いもしてきて、「焼き芋の匂いみたい」「煙がでてる」などの声も聞こえました。

いっぽうの「火打石」は、鋼鉄製の火打金(ひうちがね)に石英などの石(今回の石は瑪瑙〈メノウ〉だそうです)を打ち付けると火花がでます。

こちらは、まず当館職員が実演をし、その後実際に体験してもらいました。

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火花を出すのはコツがいるようで、結構難しかったようです。

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何回かやっていくうちにコツを掴んで上手に火花を出せる方もいました。火を起こすのも昔は簡単ではなかったんですね。

参加いただいた皆様、ありがとうございました。

次回の予約不要の博やろは2022年1月10日・月曜日、「探検!縄文時代」です。

皆様のお越しをお待ちしております。

教育広報課 解説員

みなさんこんにちは!

11月28日の日曜日に、博物館でやってみよう!「紙すきでオリジナルハガキづくり」を行いました。その様子を、少しだけご紹介します。


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「紙すき」とは、木の繊維分であるパルプを水で溶いたものから、紙をつくる作業です。はじめに、すのこの上に均一にパルプをのせていきます。

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軽く水をきったあと、色紙を切ってつくった飾りをのせていきます。

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続いて、ジャッキではさんで水をきります。IMG_2998_R.JPG

最後にドライヤーやアイロンで乾かせば、手作りハガキの完成です。お手伝いいただいた保護者の皆様、ボランティアの皆様もありがとうございました。

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次回の博物館でやってみよう!は、12月5日(日曜日)「昔の暮らし体験④火おこし器・火打石」です。開催時間は14時~15時半迄です。ご予約は不要ですので、皆様のお越しをお待ちしております。

教育広報課  解説員

みなさんこんにちは。

11月23日に博物館でやってみよう!「昔の暮らし体験③昔のおもちゃ」を実施しました。

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今回はタイトルの通り昔のおもちゃを体験して頂きました。

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【万華鏡】に【福笑い】、子どもたちにとって新鮮だったのか興味津々!

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他にも【お手玉】や【おはじき】、【けん玉】などを用意しました。

中でも大人気だったのが...

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【ベーゴマ】です!!

紐を巻くのに苦戦する子どもたち続出。

でも、コツがあるんですよね。

そこが夢中にさせるポイントだったようです。

ここでちょっと豆知識。

ベーゴマは昔、「バイ」と呼ばれる貝から作られていたそうで、その「バイ」が訛って「ベーゴマ」と呼ばれるようになったとか。

参加していただいた皆さま、ありがとうございました。

次回の予約不要の博やろは、12月5日「昔の暮らし体験④火おこし器、火打石」です。

予約必要なものは、栃木県立博物館ホームページまたは催し物案内をご確認ください。

皆様のお越しをお待ちしております。

解説員 荒川・髙原

図録の中に誤りがありましたので、訂正いたします。詳しくは正誤表をご覧下さい。

<企画展図録「木と木の実の考古学~縄文時代の低湿地遺跡と植物の利用~」正誤表>

また、一部のページが抜けた図録が見つかりました。

例:P42-49が抜けている。

P49-56が抜けている。

お手元の図録に上記のようなページ抜けがございましたら当館までご連絡ください。

連絡先

栃木県立博物館

TEL 028-634-1313 人文課

11月21日(日)の13時30分から15時まで学芸員とっておき講座「ちょっとディープな日光の地形地質ガイド」を当館講堂で行いました。当日参加を含め参加者は20名となりました。今回の講座の担当者は河野学芸員で、地形地質の観点でみた日光のマニアックで面白いスポットが紹介されました。

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まずは、地球の表面を覆うプレートの運動によって様々な岩石が形成される過程が分かりやすく図説されました。日本のようなプレートが沈み込む場で特有の火山や、付加体と呼ばれる海のプレート上でできた堆積岩類が大陸(島弧)のプレートに沈み込む際に押し付けられて付加される岩体が日光の大地を構成しているそうです。具体的には、ペルム紀のフズリナ石灰岩、ジュラ紀の堆積岩コンプレックス(付加体)、後期白亜紀~前期古第三紀の奥日光流紋岩類、後期中新世の奥日光流紋岩類、そして第四紀の日光火山噴出物で構成されており、それぞれの岩石の様子と分布が紹介されました。

日光の大地の成り立ちについて説明された後、ディープな日光の地形地質ガイドが始まりました。

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裏見滝、男体山の薙、華厳滝、中禅寺湖、光徳沼、日光湯元、葛老山の地すべり(五十里洪水)についてマニアックな視点で、地形地質の見どころや防災対策、被災状況の現地検証結果など、普段知ることのできない最新情報を聞くことができました。今後、日光の美しい景色の見え方が変わるような、面白い講座でした。

(自然課 北野)

キッズツアー「おまじないの世界」を行いました。

皆さんこんにちは。中央公園の木々も紅葉し、日を追うごとに寒い日も多くなってきました。寒さで体調を崩さないように気をつけてくださいね。

さて、11月21日(日曜日)にキッズツアー「おまじないの世界」を行いました。その様子を少しだけご紹介します。


「おまじない」は「御守り」や「アマビエ」、「今日のラッキーカラー」などなど、私たちの身の回りにたくさんあります。今回は「古代」と「中世」のおまじないの世界をお話しました。

まず展示室1の「太古の暮らし」の場所から。ここには土偶のほか、「縄文土器を抱えた人骨」も展示してあります。この人骨を良く見ると、手足を折り曲げた状態で埋葬されていたことが分かります。

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この状態を「屈葬」といい、再生を祈る、死者が復活しないようした、など様々な説がありますが、「おまじない」の意味が込められていたことをお話しし、「土偶」や「埴輪」もみていただきました。

展示室1の「中世」のエリアでは、「呪符」の記された土器(かわらけ)をみてもらい、どんな文字が書いてあるのかなどをみていただきました。この「呪符」が記された土器は常設展示ですので、是非ご覧ください。

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さて、「中世」には「おまじない」を専門とした「陰陽師(おんみょうじ)」のほか、意外な人たちも「おまじない」を専門としていました。

それはなんと「武士」です!!

武士というと、未開の土地を開き、そこを守るために武装した人たち...というイメージがありますが、平安時代のはじめ頃は京都で貴族などの警固をするボディーガードの役割がありました。そのボディーガードとしての仕事の中に「おまじない」もありました。

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その仕事が後に絵巻物の中で「鬼退治」などとして描かれ、現代のアニメや漫画にも影響しているとお話ししました。

みなさんからは「そうなの!?」「鬼と戦っていたの?」などのコメントを頂きました。

武士やおまじないについて興味を持った方は是非調べてみてくださいね。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。


次回のキッズツアーは12月19日(日曜日)開催の「うしのはなし」です。今年の干支である丑。牛ってどんな動物かな?牛についてクイズ形式でご紹介します。

皆様のお越しをお待ちしております。

教育広報課 解説員

開催中の企画展に合わせて、11月7日(日)に関連講座②を行いました。

 関連講座②は、「栃木の貝塚研究最前線」と題しまして、栃木県考古学会顧問の竹澤謙氏と同会員の細谷正策氏にお話しいただきました。

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 現在の栃木県藤岡町付近には篠山貝塚をはじめとする、縄文時代前期(約6,000~6,500年前)の貝塚があります。この周辺は、縄文海進の影響で、古奥東京湾と呼ばれる海の最奥部として注目を集めている場所です。

 この周辺の貝塚研究には、足利出身の丸山瓦全の功績があります。明治時代から貝塚の存在を報告しており、栃木市藤岡所在の篠山貝塚の試掘にも携わったと考えられています。竹澤氏には、特に丸山瓦全の貝塚研究についてお話しいただきました。

 現在、古奥東京湾最奥の貝塚として知られている篠山貝塚ですが、今回は、さらに内陸へと入る、佐野市の旧越名沼周辺での貝塚痕跡について研究方法なども含め細谷正策氏にお話しいただきました。

 旧越名沼は、1952~1965年に行われた干拓工事によって埋め立てられ現在は消滅しています。場所は三毳山(みかもやま)の麓西側になります。この周辺では、貝塚に関する言い伝えや文献や残っているそうです。

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 細谷氏は、この地域の遺跡の発掘調査報告書を調べ、縄文時代前期(黒浜期:約6000年前)の竪穴住居跡の堆積土層の中で、土の中に白い粒が多く見られることに注目しました。この白い粒は、主に火山の噴出物と考えられることが多いのですが、旧越名沼周辺の黒浜期の遺跡から火山の噴出物は確認されません。

 では、一体この白い粒はなんでしょう?酸性の土壌で溶けてしまった貝殻の名残かもしれないというお話しでした。もしかしたら、旧越名沼周辺に小さな貝塚の跡がいくつもあったのかもれませんね。

 現在、縄文海進の影響が及んでいたのは栃木市藤岡町付近までと考えられていますが、さらに奥の佐野市に貝塚があったかもしれないというお話は大変興味深いものでした。

 貝塚の確認された場所以外でも、貝塚の痕跡を見出すことが可能となる新たな手法は、細谷氏のご研究の成果であると思います。

 今回の講座は、竹澤氏と細谷氏の掛け合いが面白く、とても良い雰囲気の中で講座が終了しました。

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 たくさんの方々にご参加いただきましてありがとうございました。

会期も残すところあとわずかとなりましたが、今後のイベントをお知らせいたします。

11月21日(日)13:00~17:00 要観覧料

トークフリータイム

資料を見て気がついたこと、感じたことなどを話しながら、展示室内にて気兼ねなく展覧会を楽しんで頂ける時間帯となっております。静かにご覧いただきたい方もいらっしゃるかとは思いますが、ご了承頂ければと思います。

11月23日(火・祝)14:00~14:30 定員20名 要観覧料

スポット展示解説

企画展示室に直接お集まり下さい。部分的に解説いたします。どこの解説をするかは当日のお楽しみです。

皆様のご来館をお待ちしています!

 また、博物館レストランでは、企画展に合わせて企画展限定メニュー「発掘カレー」が登場しています。第一弾は牛すじカレー、第二弾はキーマカレー、そして現在は、第三弾のタイカレーとなっております。この機会にぜひご賞味ください。

※21日(日)県博デー限定で、なんと牛すじカレーとタイカレーが選べるそうです!

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※発掘前です。中身は、食べてからのお楽しみ!

(人文課 中山)

テーマ展「クビアカツヤカミキリ~話題の害虫まるわかり~」の展示解説を行いました。

11月14日(日)14時から「クビアカツヤカミキリ~話題の害虫まるわかり~」の展示解説を行いました。12名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。

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特定外来生物に指定されているクビアカツヤカミキリ。栃木県でも2017年に足利市と佐野市で被害が確認されて以降、着実に県内の被害範囲は広がっています。

被害が広がるとお花見ができなくなるかも!?クビアカツヤカミキリからモモやサクラを守るため、クビアカツヤカミキリの特徴や防除への取り組みを栗原学芸員が詳しく解説しました。

クビアカツヤカミキリの幼虫は、木の中に穴を開けてフンと木くずの混ざった「フラス」を木の外に出すので、幼虫がいると木の根元には「フラス」がたくさん落ちているかが注目するポイントです。

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また、幼虫が木の中で過ごすのは1年半くらいなので、成虫が多く発生するのは日本では奇数年になるそうです。次は再来年の2023年にたくさん被害が確認されるかもしれません。


参加者からはクビアカツヤカミキリだけでなく、木を枯らす他の昆虫にまで及び多くのご質問や情報をいただきました。
ご参加いただきありがとうございました。


***
11月21日(日)は県博デー!
コンサートやクイズにチャレンジ、キッズツアー、百人一首読み札ぬり絵とイベントがたくさん!みーたんもお散歩しますよ。ぜひ、博物館に遊びに来てください♪

(自然課 猪狩)

講座「火山灰は宝石箱」を開催しました

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講座「火山灰は宝石箱」を11月6日(土)10時~11時30分に開催しました。担当は岩石・鉱物分野の吉田学芸員で、15名の参加がありました。

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まず、講座タイトルにある「宝石」について説明があり、夏の第130回企画展「鉱物と宝石の教室」の展示内容を振り返りながら、誕生石の宝石たちが紹介されました。

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その宝石の元となる鉱物は地中で作られますが、私たちが手にするためには地上まで運ばれる必要があります。例えば、地中でできた鉱物は火山の噴火によって溶岩、火山弾、火山灰として地上まで運ばれてきます。つまり、火山灰は色々な鉱物がぎっしりと詰まった「宝石箱」と言えるのです。その後、実際に3種類の火山灰を洗浄して、中に含まれる鉱物を実体顕微鏡で観察しました。

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吉田学芸員が手順を実演し、参加者の皆様は火山灰中の鉱物をすべて洗い流さないように慎重に作業をしていました。観察後には、スクリーンに映していた4種類の火山灰の写真のうち、観察した3種類の火山灰がどれに当たるのかというクイズがあり、多くの方が正解していました。

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最後に、目に見えるサイズのきれいな石英がたくさん含まれている火山噴出物を観察しました。

短い時間でしたが、火山灰の中の「宝石箱」を観て楽しめたおもしろい講座でした。

(自然課 北野)

 企画展「木と木の実の考古学~縄文時代の低湿地遺跡と植物の利用~」の入館者が1万人を越えました!みなさま、ご来館いただきありがとうございます。

 記念すべき1万人目のお客様は、千葉県東金市よりお越しの浅野善博様、直子様ご夫妻です。

 栃木県へは何度か訪れたことがあるそうで、日光杉並木や大谷石地下採掘場跡など素晴らしいところがあるとおっしゃっていました。

 本日は、秋の紅葉を見ながら観光にいらっしゃったそうです。その土地を知るには、博物館を訪れるのが良いとのことでご来館いただきました。「この後じっくり展示を観たい」とおっしゃっていました。

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 当館館長から記念品として、企画展の展示図録、当館の招待券、漆塗りの盆の他、当館レストラン(博物館レストラン)の食事券「企画展限定 発掘カレー」と「みーたんコーヒー」をお贈りしました。

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 このようなイベントにあたることが時々あるそうで、本日もびっくりされたご様子でしたが、良い運をお持ちのお二人ですね。羨ましいです~

 企画展「木と木の実の考古学~縄文時代の低湿地遺跡と植物の利用」は11月23日(火・祝)まで開催中です。

 皆さまのご来館をお待ちしています!

(人文課 中山)