令和4年度人文系冬季テーマ展<br>戦争の“記憶”を引き継ぐ

展示概要

   太平洋戦争終結から77年が経過し、戦争を実際に体験した世代は徐々に減りつつあります。それにともない、戦争遺品や戦争体験に関わる記録が散逸したり忘れられたりしてしまう傾向が顕著となり、戦争の“記憶”の風化を防ぐことが後に続く世代のとっての課題ともなっています。

  近年、当館に対しても戦争関連資料の寄贈の申し入れが増えており、「戦争にまつわることを後世に伝えるためにも遺しておいたほうがよいのではないか」という寄贈者の訴えをしばしば耳にします。メディアなどで戦争遺品の現状と課題が取り上げられることも、公的な機関への寄贈を後押しする動きとなっているようです。当館ではこのような流れを受けて、資料の状態や性質、収蔵スペースの問題、整理作業の困難さなどと向き合いながら、戦争の体験や記憶を受け継いでいく重要性を鑑み、受入れのために最大限の努力を払っています。

  本展では、過去10年ほどの間に当館が寄贈を受けてきた戦争関連資料を中心に、戦争や軍隊と本県の関係や、当時の市民生活の実態などが明らかになるものに焦点を当てて展示し、モノが語る戦争の“記憶”を引き継いでいくこと、そして戦争関連資料を保存し後世に受け継いでいくことの重要性についてお伝えします。


主な資料

■吉田哲雄氏寄贈資料(第十四師団騎兵関係資料・軍馬関係資料)

軍用保護馬用の鞍
軍用保護馬用の鞍

    

■恩田稔雄氏寄贈資料(シベリア出兵関係資料)

恩田忠録宛林健太郎書簡
恩田忠録宛林健太郎書簡

■鈴木康夫氏寄贈資料(引揚証明書・履歴書等)

飯盒
飯盒

■山納悦子氏寄贈資料(軍服・戦死通知書・寄書付日の丸・弔辞等)

陸軍歩兵少尉正装
陸軍歩兵少尉正装

■竹島妙子氏寄贈資料(第十四師団砲兵関係資料・学校配属将校関係資料等)

軍刀
軍刀

■荒井文子氏寄贈資料(荒井退造関係資料)

荒井退造写真
荒井退造写真

■清水勝氏寄贈資料(陶製手榴弾)

陶製手榴弾
陶製手榴弾

■石原冨美子氏寄贈資料(慰問袋・写真)

慰問袋
慰問袋

関連行事

1)学芸員とっておき講座
  日時 2月19日(日)13:30~15:00
  場所 講堂
  定員 150名(予約不要)

     

2)展示解説
  日時 2月26日(日)14:00~15:00
  場所 展示室2
  定員 20名(要観覧券)


※お問い合わせ・お申し込み 栃木県立博物館 教育広報課 Tel.028-634-1312

令和4年度冬季テーマ展「戦争の“記憶”を引き継ぐ」
出陳資料一覧 pdfichiran.pdf(203KB)