徳川家康が、慶長5年(1600)、関ヶ原の戦い直前に会津征伐のため小山(小山市)に在陣したことはよく知られていますが、実は、これ以前にも家康は幾度か下野を訪れていました。数は少ないのですが、書状や日記などの様々な資料や当時の状況から、天正18年(1590)7月末に豊臣秀吉に面会するため宇都宮を訪れており、また、翌19年7月下旬と10月下旬、東北で起こった一揆の鎮圧軍の副将として出陣した際の往復途中に下野に滞在したと考えられます。
今回の展示では、日光に祀られる以前の家康と下野との関係について再評価したいと思います。
<家康は下野に滞在した!?> No.1 徳川家康像 江戸時代初期 当館 |
<北関東の和平実現のために調停に乗り出す家康> No.2 徳川家康書状写 天正12年(1584) 個人 |
<家康は秀吉の宇都宮・会津行きへの帯同を 免除される> No.3 落穂集 巻五 江戸時代 当館 |
<家康の次男秀康の結城家入嗣の御礼で 宇都宮訪問> No.4 落穂集 巻五 江戸時代 当館 |
<秀吉による一揆鎮圧軍の編成・行軍等の指示> No.5 豊臣秀吉朱印状写『三光録』<部分>(当館蔵)所収 江戸時代 |
<井伊直政、榊原康政らが家康に従い奥羽へ従軍> No.6 徳川二十将図 天保7年(1836) 当館 |
<家康は7月24日に小山に着陣> No.7 落穂集 巻六 江戸時代 当館 |
<家康は8月5日に江戸に帰城を報告> No.8 伊達政宗宛徳川家康書状写『三光録』 (当館蔵)所収<江戸時代後期>(部分) |
<戦勝祈願の報賽として家康から1500石寄進> No.9 二荒山神社年表紀事略 明治25年(1892) 宇都宮二荒山神社 |
<家康の指示で宇都宮二荒山神社が再建される> No.10 二荒山神社本殿勾爛擬宝珠 宇都宮二荒山神社 ※展示品はレプリカ |
令和3年度人文系夏季テーマ展
奥羽再仕置430周年記念「徳川家康が下野にやってきた!」
出品一覧mokuroku.pdf(203KB)