ちらしも積もれば宝の山となる
“ちらし”も積もれば(宝の!)山となる
  〜引札が彩る下野の正月〜




人文系テーマ展

“ちらし”も積もれば(宝の!)山となる
〜引札が彩る下野の正月〜



開催期間:令和6(2024)年
    4月27日(土曜日)
   〜6月23日(日曜日)
前期:4月27日(土)〜5月26日(日)
後期:5月28日(火)〜6月23日(日)

開催趣旨
 商業活動が活発化し、貨幣経済の発展を見た江戸時代中頃から、さかんに刷られて商店から顧客に配られた引札。明治時代に入ると、特に正月の時期に、その年の繁盛や幸福を願って縁起物や時事性の強いモチーフを配した華やかな彩色の引札が刷られ配られるようになりました。
 高い芸術性やインパクトがあるとはいえ、引札の役割は、現代でいうところのちらしです。際物として人々に楽しみを与えた後は、壁に飾られたりするものもあれば、捨てられたり襖の裏打ちに使用されたりするものなどもあり、良好な状態で残っているものはあまり多くありません。さらに、大正時代以降のメディアの発達によって、引札はポスターやパンフレットなどにその役割を譲るようになり、徐々に姿を消していったという経緯もあります。
 今回展示する引札のほとんどは、明治から昭和初期にかけての暦・双六などとともに『下野正月繁盛絵錦』という書籍に掲載されています。この書籍は、これらの膨大な資料を長い年月をかけて収集した宇都宮市の元職員・藤田好三氏が出版したもので、これほど多くの刷物、しかも栃木県で用いられていたものが収集されている例は他にはありません。その価値を後世に伝えるためにはまとまった形で当館で保管することが望ましいとの見地から、令和5年度、一括での購入に踏み切りました。
 かつて栃木県の町や村にあった商店が、競うように顧客に配った色鮮やかな刷物たちを通して、明治から大正にかけての世相を感じ取っていただくとともに、地域資料を遺し伝えていくことの重要さを感じていただけたら幸いです。

関連事業
(1)学芸員とっておき講座 「幸を!福を!金運を!!〜100年前の“ちらし”事情」
 日 程 : 令和6(2024)年5月19日(日)
 時 間 : 13:30〜15:00
 会 場 : 講堂
 定 員 : 150名
 料 金 : 無料
 ※ 予約不要。時間までに講堂にお集まりください。
     
(2)担当学芸員による展示解説
 日 程 :令和6(2024)年4月27日(土)、5月4日(土)、6月1日(土)
 時 間 : 各回14:00〜14:30
 会 場 : 展示室2
 定 員 : 20名程度
 料 金 : 無料ですが、展示室で行うため観覧料が必要になります。
 ※ 予約不要。時間までに展示室2にお集まりください。
展示内容と主な資料
引札関口幸吉
引札 関口幸吉(当館蔵)
引札麩屋菊治郎
引札 麩屋菊治郎(当館蔵)
引札栃木卯之助
引札 栃木卯之助(当館蔵)
引札町田政次郎
引札 町田政次郎(当館蔵)


お問い合わせ
教育広報課 028-634-1312 (直通)

クーちゃん